さようなら ページ26
はぁ。
お皿を洗いながら、ため息をつく。
言うんだ。辞めますって。
たった一言。
それだけで、今までのことがなかったことになる。
それが私にとって一番辛いこと。
及「Aちゃーん！！みんな部屋に集めたから、終わったら来てね！！」
徹先輩の言葉が心に突き刺さる。
貴「…っ分かりました。」
雪「あ、青城で話し合い？
うちらやっとくから行ってきなよ！」
貴「え…申し訳ないです。」
雀「いいのいいの！先輩に頼っときなって！」
貴「…ありがとうございます。ちょっと行ってきます。」
雪絵先輩とかおり先輩の優しさに涙がこみ上げる。
この頃涙もろくなったなぁ。
コンコン
みんなのため。
貴「失礼します。。。」
岩「おぅ、A！おつかれ。」
矢「話ってどうした？」
貴「あの、私…」
みんながこっちを見る。
言うんだ。
これ以上巻き込まないために。
本当は辞めたくない。
もっともっとみんなと一緒に居たい。
なんで私ばっかり辛い目にあうんだろう。
もう辛いよ。
ポロポロポロ
涙が溢れ出す。
及「え、ちょ、あいつに何かされた？」
国「あいつ…ちょっと俺行ってきます。」
貴「まっ、て。」
今にも殴りだしそうな勢いの英を止める。
貴「きいて、くだ、さい。。」
花「みんなちゃんと聞いてるから、ゆっくりでいいよ。」
余計に涙で前が見えない。
今、言えば楽になる。
私も、みんなも。
そう、これはみんなのため。
…………みんなのため。
貴「わたっ、し……
ぶか、つ、、辞めます。
今、まで、ありがとうござ、いました……」
バンッッ
そう言って、私は逃げるように部屋を出る。
怖くて、みんなの顔は見れなかった。
矢「え？」
国「は？」
岩「う、そだろ？」
松「なんで？」
及「俺は認めないよ！Aちゃんが辞めること。
連れ戻して、ちゃんと話を聞こう。」
国「俺、探してきます。待ってて下さい。」
バンッッ
部屋に、沈黙が流れる。
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作者名：chibirin | 作成日時：2020年12月13日 21時
