運命共同体‥‥【TH】 ページ21
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TH side
俺の目の前には優雅に伸びをしている真っ白な猫が一匹。ただの宿舎のリビングなのに、お前が歩くと王宮のように見えるから不思議だね。緑を帯びた金色の、飴玉のような目で辺りを見回すとお気に入りポイントを見つけたのか、そこに鎮座し呑気に欠伸をしている。
「マチカ」
そう俺が呼びかけても面倒臭そうにこちらに一瞥をくれるだけで、すぐに眠る体制に入った。
マチカとはAヌナの飼い猫でラグドールの女の子。普段はヌナの実家に居るんだけど、今日はどうしても家族が出払ってしまうらしく二日だけ預かることになった、と昨晩連れてきたんだ。ヌナは『急にごめんね、特にジミナは猫アレルギーなのに‥』と謝っていたが、ジミンも「少しくらい全然大丈夫ですよ、マチカ久しぶりだね」と早速触れ合っていた。俺たちにとって猫はとても新鮮で、何より久しぶりにマチカに会えたことが嬉しいんだよね。
まあ俺がもう一つ楽しみにしている理由は後に分かるとして。
一夜明けた今日、宿舎に居るのは俺とジンヒョン、ユンギヒョンの三人。珍しく二人より先に起きた俺は事務所に行くジョングクとヌナを見送った後、自分の飲み物と一緒にヌナに事前に聞いていたマチカの食事を用意する。
「マチカ〜、ご飯だよ。おいで。」
日が差し込む場所で微睡んでいた彼女は俺の声を聞くとゆったりと起き上がり、それでいて凛としてこちらに向かってくる。どうぞ、と差し出し、小さな頭をひと撫でするも中々食べる気配がない。
「ん？いいよ。食べな。」
そう言うとようやく食べ始めたマチカ、ちゃんと躾けられてるんだな、って思う。お前は偉いね。ひとしきり関心した後、俺もそれを眺めながら一息つくことにした。
・・・
そして今に至るわけだけど、もう眠りに落ちそうなマチカを見ていると俺まで眠くなってくる。でも今から面白いものが見れると思うと絶対に寝る訳にはいかないんだよね。
そのまま暫く二人でまったりしていると‥
JN「テヒョンア、もう起きてたの？」
「目が覚めちゃったんです。ヒョンおはよう。」
起きてすぐキッチンに直行したのか、ペットボトルの水を飲みながらジンヒョンがリビングに入ってきた。その声に反応したのは俺だけではなく‥
おはよ〜と返したジンヒョンの声に耳をピクッとさせたマチカはさっきまでの眠気は何処へやら、ジンヒョンの足元までまっしぐら。そしてピトッと張り付き"ニャア"と玉を転がすような鳴き声ひとつ。
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作者名：mitsu | 作成日時：2021年7月19日 23時
