西くんと【1】

冷たい彼氏 ページ27

「隆弘おはよー！」









『ん。』








私の彼氏はただクールなだけ








そう思ってたけど、違ったみたい








『あはっ、ここはこーやんの』









ダンスの授業で楽しそうに女の子に教えていた姿








私には見せてくれないあなたの笑顔








中学校からずっとあなただけを想い続けて








隆弘と一緒の高校に入って









1ミリでもあなたの視界に入ろうと努力した









『付き合ってください』









「…はい！」









高校2年生の春にやっと夢が叶った









それなのに…









『……』









デートはいつも謎の沈黙









最近のお昼休憩も気まずくて一緒にいられたもんじゃない









「…楽しくなーい」









やっと弾けた私の高校生活









ほんとはもっと放課後デートとかしてみたい









でもきっと隆弘は嫌がる








2人で帰ったことすらないのに…。









「隆弘、今時間ある？」







『ごめん、忙しい』








そう言って乱暴に切られた電話








「夜の10時に忙しいってどういうことよ…」








私の独り言は虚しくもかき消される








「西島隆弘！！」








『…っうるさ』








隆弘の教室の前でフルネームで叫ぶ








「ちょっと来て！！」







そう言って隆弘の腕を引っ張って







階段の踊り場までやってきた







『なに』








「隆弘ってなんで私と付き合ったの？」

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