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09.贅沢 ページ9

『さて、見事不正解だったヒソカにはこれをどーぞ』

私はトーストを渡す。ヒソカは見つめた後、しぶしぶ受け取った。私の顔は今笑顔だろう。

『うん、ありがとう。これは返すよ』

鍵を渡すと驚かれた。

「正解してないのにいいのかい?」
『気分次第って言ったでしょう。そもそも、これは牢屋の鍵じゃないみたいだから』

牢屋の鍵は昨日、あの男が持っていたのを見た。ちゃんと覚えている。それに、ヒソカが男を嫌っているように男もヒソカを嫌っている。なら、そもそも彼に牢屋の鍵なんて大事なものを預けるわけもない。

ヒソカがトーストを噛る。良い音が響く。サクサクだ。

『あ、喉乾いたらホットミルクも飲んでいいからね』
「…お腹が空かないのは分かったけど、お姉さんはどうしてそこまで食べたくないんだい?食べれない訳じゃないんだろう?」

昨日、全部ではないがスープは飲んでたからな。それを元に言っているんだろう。

『食事が美味しくなる最高のスパイスは"空腹"だ。空腹でない私にとっては、どんな一流の料理でもあんまり美味しいとは感じないんだよ。…いや、確かに美味しいとは思うんだけど…満たされないというか……そうだな、食べる必要もないのに食べるっていう行為がそもそも好かない』

味はする。けど、しない。食事というより摂取に近い。食べれば食べるほど食事が嫌いになっていく感覚がする。

…こればかりは体験してもらわないと伝えられないな。

「…随分贅沢な話だね」
『そう聞こえるだろうね。私だってそう思う。…ま、そんな私が食べるよりも育ち盛りの君が食べた方が食べ物も喜ぶだろう?』

ヒソカの食事事情は知らないが、予想はつく。多分、本来ヒソカくらいの年の子が食べる量よりも少ない。

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キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです!続編まで行きました!引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます!続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります!!更新がんばってください!(*´∀`*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています! (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Justice RPG | 作成日時:2018年1月7日 2時

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