50.曰く付き ページ50
「！っあ、はい！ほ本当ですか」
『はい、本当ですよ』
「あ、じ、じゃこちらにサインを…」
『サインだけでいいんですか？』
「え、えぇ。こちらはしっかりとした保険もついていない物件なので」
まぁ、かえってそっちの方が好都合だ。私には戸籍の類いはないだろうから、細かいことを書くことは出来ない。
私は利用契約と書かれた書類にチェックを入れる。…この紙一枚だけで良いのか。なんというか、こんなに簡単に家が買えるとなんだか不安になるな。
『支払いは…』
「あ！えと、お客様に払っていただくのは月々の電気代やガス、水道代だけで結構ですので」
『え、…はい！？』
思わず驚くのも無理ない。え、つまり…家はタダだと？そんな美味しい話があるはずがない。
「曰く付きが関係してるのかい？」
珍しくヒソカが口を挟んできた。
「っ！え、ええ…まぁ。…その、少し前に殺人があって…それで」
なんという分かりやすい問題物件だ。以前の私なら絶対に住みたくないだろう。霊に特別な恐怖は抱いていないが単純に気味が悪い。
『…だって。ヒソカ、どうする？』
「ボクは構わないけど」
『私もそうなんだよね』
が、今は違う。人が死んだからと言って何だという感じだ…と言ったら言い過ぎかもしれないが…。結局考えてみれば、どこの場所も過去に遡ると一人は死んでる。つまりはそういうことだ。
それに…やっぱり殺しを経験してしまったからか、死に対して特に思うところがなくなった。…ああ、いや、決して人殺しだけが原因ではないか。
私とヒソカの言葉を聞き、不動産屋はぎょっとした顔になった。引いてるらしい。ごもっともだ。
『…今から使って良いんですか？』
「は、はい！！」
『そう…徴収は後々来るって感じです？』
「はい！！そ、そうです。で、ではこれで…」
ひきつった笑みを浮かべながら不動産屋は去っていった。
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キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (
レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです！続編まで行きました！引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます！続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります！！更新がんばってください！(*´∀｀*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています！ (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年1月7日 2時
