20.必然 ページ20
逃げられる状況にありながら私が逃げないのは…逃げる必要がないから？いや、どうだろう。逃げる必要ならある。私は彼らに会わないといけない。会うためにはここから出ないといけない。逃げる必要はある。…ならどうして？
……そんなのは分かっている。
『逃げない理由があるとするならそれは君だ』
「ボク？」
『君が逃げるなら私も逃げる』
「………なにそれ」
『私は本気だ』
彼は呆れを含んだ疑いの目で見てくる。
けれどその奥で微かに揺れたのを私は見逃さなかった。
彼だ、ヒソカだ。もしヒソカではない男が監視員だったならとっくに逃げている。
『ヒソカと話してると安心するんだよ』
「…安心？」
『うん。それは君が仕組んでいたことだとしても、安心する場所からは離れたくないのが人間というもの。…というか、たとえここから出たとしても私は外を知らない。だから…もし逃げるとするなら君も一緒じゃないと困る』
ヒソカを見ると驚いているというか、私の言ってることをよく理解できていないようだった。
…つまり、だ。
『私と一緒に逃げないかい？ヒソカ』
「………」
彼の瞳が大きく揺らいだ。
色んな感情の渦巻いた瞳だった。
『一緒に逃げてくれるのなら君の生活は私が保証する。ただまぁ、贅沢な暮らしという訳にはいかないだろうけど…ここよりかは良い筈だ』
私には知識がある。少しばかりだが戦える。ヒソカ一人くらい…と言ったら失礼か？…まぁ、養える自信はある。大人だし。
『…あー、質問されたこと以上答えちゃったな…ま、いいか』
数時間頭を使いっぱなしだったからか、少し疲れた。
ぐっと伸びをする。そこで気づく。
……凄いな。
床一面の棒、棒、棒…確かにかなりの回数やったから分かってはいたが…。
それも、消された棒はまるで十字架。…つまるところ、十字架が床一面に広がっていた。なにこれ、なんの儀式？
既に運ばれてきていた食事を持ってくる。
『さ、少し休憩しよう』
そう言いながら私はパンをヒソカに手渡した。
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キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (
レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです！続編まで行きました！引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます！続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります！！更新がんばってください！(*´∀｀*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています！ (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年1月7日 2時
