154._後悔のない ページ8
実際私はどこか楽しみだったのかもしれない。
実力者である彼らと自分の弟子のようなクラピカが戦ってどのような結果になるのか。彼らが負けるとは考えづらいが、クラピカもただで負けるような子ではない。…生死が絡んでくるだけでこうも感情は左右する。
私は"皆"に死んでほしくない。そんなのは当たり前。クラピカを今この場で押さえてしまえば事は収まる。だがその先にあるのはクラピカの絶望。ノブナガの復讐心も行き場がなくなる。私が恨まれるのはいい。……彼らの意思を奪うのはいけない。
……
私の求めるものは。"彼ら"の幸せ。"彼ら"の生は時として彼らの為にはならない。
だから私が望むのは。せめて…後悔のない死。幸せな終わり。戦い合った結果でも、寿命でもいい。私はその体に土を被せる為に生きている。
ウボォーギンは力を出しきって死ねただろうか。
……いや、多分。クラピカに手加減をした。そうでなければウボォーギンは死んでいない。
『君はノストラードに私は敵ではない、と説明した。でもそれは正しくない』
「おい姉ちゃん。ここは立ち入り禁止だって知らねぇのか？」
背後に数人。黒服の男と警備兵が私に銃を向けていた。ノストラードが呼んだのだろう。
「…A。私が」
『クラピカ。探し物は見つかった』
振り返れば先頭の男が口笛を吹く。にやりとした笑みをしていた。その後ろに見覚えのある顔。私をここまで案内した男だった。
…ここにこなければよかったのに。これがこの男の選択なら仕方ない。
「、なにを」
私は数人の男たちに手を向ける。それによって銃口が向くが、発砲されることはなかった。
心臓へ。
鎖はそれぞれの心臓に的確に刺さる。時が止まったように男たちは静止した。
＿ドサ、と死体が崩れ落ちる。
死体は目を開けたまま恐怖も映さないで濁っていく。
クラピカは信じられないようなものを見る眼で光景を眺めていた。
『同じ鎖というのはどんな因果だろうね。念を教えたのは私ではないのに』
クラピカが後ずさる。クラピカの思考回路は私と似ている。それは私が師匠だったからかもしれないし、もともとの性質が似ているだけかもしれない。でも、クラピカと私は決定的に違う。
クラピカは殺すことに抵抗を覚えるが、私は覚えない。
『探し物は"鎖野郎"。…つまりクラピカ、君を探しに来たんだ。ウボォーギンの居場所を知るためにね』
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
