165._白い星 ページ19
外からキルアたちの部屋を見上げる。明かりは煌々とついていた。
…ふむ。ただインターフォンを押しにいくのも退屈だ。折角なら彼らを驚かせよう。その方が緊張も解れる。
『………』
私は窓の下で絶をする。＿ガラ、と窓が開いた。キルアが凄い形相で外をみる。その隙に室内へと入る。
『捕まえた』
「！！」
そしてキルアの肩にぽんと手を置けばキルアは弾かれたように距離を取る。
『っ…ふふ。気配に敏感なのも考えものだね』
「A！」
「A！？」
前者がゴンで後者がレオリオ。ゴンは私の訪問に驚きつつも嬉しそうな顔をする。対してレオリオはキルア程ではないが驚愕していた。……それと、もう一人。
「………」
知らない男がこちらを見てぽかんとしていた。…誰だろう、と考えて該当する名前を探す。…例の競売を手伝ってくれたという人だろうか。名前はゼパイル。
「…A」
『ごめんキルア。謝るからそんなに警戒しないでほしい』
キルアは私の言葉を噛み砕いてからゆっくりと臨戦態勢を解除する。
「………は」
はぁ、と息を吐くキルア。呆れたようなため息だが、頬は少し緩んで見えた。
「早かったね。返信きたのさっきだったのに」
『走ってきたからね』
「走ったからって普通こんなに早くつかねーよ。オレが送ったのもついさっきだろ」
『ノブナガから君たちが逃げたって聞いて元々向かってたんだ』
私が言うと2人の顔がぎょっとする。
『ふ、大丈夫。ノブナガは追ってきていないよ。アジトで拗ねてたからちょっと渇をいれたんだ。暫くは動けない筈だ』
「…一体なにしたんだよ」
『2人を拘束した罰だとすれば軽いよ』
それに、痛みが引いて意識が正常になる頃には団員が帰宅する。そうしたらノブナガ一人で外に突っ走ることは出来ない。
「…お前らさっきから普通に話してっけどな…A、あんた今どっから現れたんだよ！？」
黙っていたレオリオが口を開く。いつのまにか私への緊張は薄まっているようだ。はじめまして、は過ぎたからな。
『普通に窓から入ってきたよ』
「嘘つけ！オレにはみえなかったぞ！」
『絶だよ。意識外であれば余程のことでなければ見えない』
「く、また絶かよ」
『レオリオも修行すればできるようになるよ』
絶は四大行の一つ。凝や円のような習得に個人差のあるものとは違って基礎的なもの。修行すれば必ず出来るようになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
