159._生年月日 ページ13
つまり、本当にウボォーギンは死んだ。…クラピカと対峙した時点で分かっていた筈なのに文字にされると言い様のない感覚が沸いてくる。
ウボォーギンの死は当たっている。しかしここにはウボォーギンを殺したのは鎖使い、クラピカだとは書かれていない。"欠けた"というのも曖昧だ。事故なのか他意なのか判別がつかない。それは占った対象のクロロが知らないからなのか。
_菊が葉もろとも涸れ落ちて
血塗られた緋の眼の地に臥す傍らで…
2週目の文に書かれている"緋の眼"とは十中八九クラピカのことだろう。…クロロは現時点"鎖使い"が"緋の眼"だとは知らないが、2週目の文には明記されている。ではなぜはじめの文に霜月を殺したのが緋の眼とは書かれていない。…1週目では知らないが、2週目では気づくということか?
鎖使いが緋の眼を持つクルタ族の生き残りであると気づくことは容易い。状況を整理すれば導くことが可能だ。…あと数日の内。なんなら今夜にでも気づける。
『…凄いね。100%というのは誇張ではないようだ。…この占いだと旅団は少なくともあと5人死んでしまうみたいだけど』
「ああ。アジトに戻ったら他の団員も調べてみるつもりだ。その5人が分かるかも知れないからな」
会場を出て、人のいない受付から紙を拝借する。
「これに、フルネームと生年月日、血液型を書いてくれ」
私は少し悩む。…どちらのものを書くべきか。私の魂的には前世が近いのだろうが…しかし存在的にはAだ。…クロロが占うのだからクロロの認識に沿った方がいい。
『クロロ。私が教会に現れた日って分かる?』
「1977年の10月23日」
『…聞いたのは私だけど、よく覚えてるね』
「忘れるわけないだろ」
クロロに苦笑いしながら"A"、"1977年10月23日"、"B型"と書いていく。そして紙を渡す。
受け取ったクロロはカウンターに紙を置くとオーラを纏う。右手に具現化した本。クロロの念能力だ。この本にはクロロが今までに盗った念能力が入っているらしい。その本がペラペラと捲れ、止まる。
ペンを持った左手には鳥のような形状の生き物が付いていた。…鳥、にしてはくちばしではなく人間の口で、腕も人のように5本指だった。
そして凄い速さで機械のように紙に書き込んでいく。クロロが書いている、というより鳥のような生き物が動かしているような感じだった。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです!! (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、! (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです!!!!応援してます!!先の展開が楽しみで仕方ありません!! (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2021年6月12日 19時