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「修行って…Aが?」
キルアの唖然とした顔に苦笑いする。
『私以外にいないよ。…私は今回の件で実力不足を痛感したんだ。自分の甘えを理解した。何か、変わらなければと思った。その一環で強くなろうと考えたんだ』
二人からしたら私は強い。だから分からないのだろう。私は困った顔をする。
「じゃあ仕事は」
『実は少し減らして貰えないか相談するところだったんだ。執事さん達の稽古も暫くは休ませて貰うつもりだよ』
その為にもヨークシンを離れてパドキアに戻る必要があった。
『だから、審査会を受けるのは良い考えだと思う』
「本当!?」
『うん』
ゴンは嬉しそうな顔をする。…審査会は10日。受けるならあまり悠長にもしてられないな。
『そうと決まったらさっそくシルバさんに聞いてみる。もし"直接言いにこい"って言われたら大変だから』
ここからパドキア共和国ではかなり距離がある。…電話で説得できればいいけど。
『結果が分かったらすぐ連絡する。二人は引き続き修行頑張って』
私は立ち上がり入ってきた扉へと向かう。
__彼らと話していて、穏やかな空間で、
私は"警戒"を忘れていた。
『!』
扉の前まで来て…扉は外側から開かれた。
驚いているのもつかの間、私は目を見開いた。
飛び込んできた金色。…見慣れた金色。
『クラ…ピカ』
扉を開けたのはクラピカだった。
…目が、覚めたんだ。
まだ本調子ではないだろうが、熱は下がったらしい。
……まずい
クラピカはやっと目が覚めたのに、私に会ったらまた…また倒れてしまうかもしれない。私に会うことはとてもストレスになる。……どうする。…窓からは一応逃げられる。
私は足を一歩引く。
「…A」
名前を呼ばれ、体が固まる。
うご、かないと。
早く。クラピカをこれ以上苦しめたらいけない。とにかく、離れないと。
「…キルアから聞いた」
もう一歩足を引こうとして、その言葉にクラピカを見る。…聞いたって、何を。
「マナはAであり…それは、私を守るためだと。Aは私を…裏切ってなどいないと」
………どうして。
そう思いキルアを見る。…キルアは私がクラピカに恨まれていることを知ってる。それに、旅団と本当に知り合いであることも。
いや、考えてる暇はない。何か、言わないと。
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すってん(プロフ) - 続きの意志を示してくださって本当に嬉しいです!H×Hの作品でこちらが最も大好きな私です。最高に面白い作品を本当にありがとうございます!書き直し版もどちらも楽しみです!しかし無理はなさらずに、ご自分のペースで続けていただけたらな、と思います! (4月14日 2時) (レス) @page40 id: ff20551d0e (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - たまごボーロさん» 続けるつもりではありますが、今のところネタ切れ+マンネリ化のため暫くはお休みする形にはなると思います…。なるべく早く続きが書けるように頑張りますね。 (4月12日 20時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
たまごボーロ(プロフ) - 碧は染まったも続けてくれますか? (4月12日 19時) (レス) @page40 id: c5a7976f82 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。前回の更新から約一年が経ちそうでした。新しい話の更新じゃなくてすみません。内容に関しては※お知らせをお読みください。 (4月12日 18時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - JRPGさん» いえいえ、どういたしまして〜 (6月19日 1時) (レス) id: 2cdd8e90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2022年12月6日 11時