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79.震え ページ29

それに…まぁ…確かに、ここに皆だけで居させるのは不安だな。でも、だからといってわざわざ敵陣に皆をつれていくわけにも………。

『………あ……いやそうか』

一つ気づく。それは見落としていたこと。

そもそも、この教会はもう奴らに場所が知られているんだよな。
…なら、移動する必要がある。…ここにこの子たちを残すのは賢い判断じゃないな。

「…A?」
『分かった。皆も連れていくよ』
「「!!」」

驚く皆。そりゃあそうだろうな。いきなり許しが出たわけだし。

『ただ、無理に戦おうとは思わないで。こっちはクロロとフェイタンが人質としてとられているようなものだから。一番の目的は二人の奪還』
「それは分かってる!」
『それからウボォーギンは特に、怪我してるから無理しない』
「……ああ!」
『その間は気になるけど…とりあえず約束ね。ただ、自己防衛の為の攻撃はいいから。君たちの第一優先は自分の命、了解?』

深く頷く皆。

とは言いつつも…現場についたらまずは安全な場所に子供たちを待機させないとな……まぁ、安全な場所があればだが。

私はまだ外がどんな所かも知らない。

『………』

…さて、外を知りにいこうか。

私は扉にそっと手を触れる。

「………A…」

不安げなノブナガの顔。

『ん?』

私は首を傾げて振り向く。後ろの皆もどこか心配そうだった。

「…その、オレが開けようか…、」
『大丈夫だよ、ちゃんと自分で開けられるから』

それに、それならもっと前に少年と試した。
試すと扉をくぐることは出来た。しかし、出た先はこの教会。強制的に戻されたのだ。加えて、拒否反応のようなものもなかった。
だから結局、自分で開けなければならないという事なのだろう。

「っでも、!A…」

皆の視線は私の手に集まっていた。

私だってわかっている。見るからに自分の手が震えていることくらい。
きっと皆は私の拒否をなんとなく感じ取っているんだろう。

…まったく…出る前に不安にさせてどうするんだ私。

『これは武者震いさ』
「…むしゃぶるい?」
『そう。心が歓喜で震えているんだよ』

むしろ、そういうことにしてくれ。

でないと震える情けない自分を殺してしまいたくなる。

『…開けるよ』
「……うん」

皆の息をのむ音が聞こえた。

80.耳鳴り→←78.意志



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るみ - ハンターハンターにハマって、一作目にこれを見て良かったです(*^^*) (2019年1月26日 0時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - クラピカさん» コメントありがとうございます!第二章出来ました!!引き続きお楽しみください! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - みるのさん» コメントありがとうございます!続編出来ました!!これからも楽しんで頂ければ幸いです! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます!応援とても嬉しいです!続編を作成したのでお楽しみください! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
クラピカ - 第2章楽しみすぎるー! (2018年1月3日 6時) (レス) id: 423cdf7227 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Justice RPG | 作成日時:2017年11月8日 20時

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