61.穢れ無き ページ11
「「…A!!」」
打ち合わせでもしたのかと問いたいくらいに揃った声。
みんなはさぞ驚いているのか、その顔は見ていて面白い。
『やぁ、みんな。おはよう』
もう来たのか、とでも思ってそうな顔のクロロ少年を一端剥がし、軽くみんなに手を降る。
「っA!」
真っ先に駆け寄ってきたのはパクノダだった。…私はパクノダの前で倒れたんだ。本人は驚いただろう。意識を失う前の悲痛な顔が甦る。
『!…よーしよし』
…相当だった様だ。パクノダは私に抱きつき、顔を押し付ける。体は震えていた。
『…ごめんね。急に倒れたりして』
「!、ほんとよっ…!私、何もできなくて…!」
『何もできないなんて言わないで』
パクノダの背中をそっと撫でる。
『少し不謹慎かもしれないけど…私はさ、そうやって心配してくれるのが何よりも嬉しいんだ。怒って、泣いて、悲しんでくれるってことは、私のことそれくらい思ってくれている証拠だから』
「……でも」
『でもじゃない!パクノダは悲しいかもしれないけど私は嬉しい。だから、パクノダは何も気にしなくていいの。そもそも怪我したのは私の責任。パクノダのせいではないよ』
言い聞かせるようにゆっくりと、話す。すると、パクノダは静かに離れる。見えた頬は濡れていた。
『うん。良い顔だ。これからも私のことたくさん心配してね』
「………Aはバカよ」
そういう割にはどこか照れくさそうな顔だった。
「A!次、あたしも!」
パクノダが離れたのを見てマチが突っ込んでくる。相変わらず良いタックルだ。
『マチ、私が寝てる間に苛められてたりしなかった?特にフェイタン』
「何でワタシね」
『君たちは喧嘩してるイメージが強いからね。それはそれで微笑ましいけど』
「…」
言ったら相変わらずの不機嫌顔になる。それすらも懐かしい。
『ふふ』
「…なにわらてるか」
『なんでも。ほら、そんな膨れっ面しない』
マチをくっつけたままフェイタンの方へ向かい、その頭を撫でる。
嫌そうな顔はするものの払いはしない。安定の照れ隠しだろう。
『フィンクスとフランクリンもとくに変わりない?風邪とかかかってないよね』
「ああ」
「オレもだ」
『そう、良かった。あ、フィンクスあのときは叫んでくれてありがとね』
「…あのとき?」
『私が腹部を殴られたとき』
「!っあれは」
『はいはい照れないの』
顔を反らすフィンクス。…そういえばこの子たちの照れ屋率高いな。可愛いからいいけど。
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るみ - ハンターハンターにハマって、一作目にこれを見て良かったです(*^^*) (2019年1月26日 0時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - クラピカさん» コメントありがとうございます!第二章出来ました!!引き続きお楽しみください! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - みるのさん» コメントありがとうございます!続編出来ました!!これからも楽しんで頂ければ幸いです! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます!応援とても嬉しいです!続編を作成したのでお楽しみください! (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
クラピカ - 第2章楽しみすぎるー! (2018年1月3日 6時) (レス) id: 423cdf7227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Justice RPG | 作成日時:2017年11月8日 20時