その壱 ページ3
「Aーー！いるかー！？」
アカデミーから帰り、店でのんびりと鍵を磨いていた時だった。いきなり店先から聞こえた大声に作業の手を止めた。よく聞き慣れた喧しい男の声だ。Aはゆっくりと立ち上がり、助走をつけると店先にいる男を蹴り飛ばした。
「おいおい、うるせぇぞナルト！近所迷惑だろーが!!」
「ギャアーー!!」
吹っ飛んでいった男、彼の名はうずまきナルト。Aと同期のアカデミー生だ。土煙をたてながら立ち上がったナルトはAに駆け寄った。
「何すんだよ！いきなり蹴るこた無いだろ!!」
「全く喧しいなー、そんなんじゃいつまでたってもモテねぇぞ〜」
そう言うと顔を真っ赤にし、さらに反論しようとしてきたナルトの口を右手で塞いだ。Aは子どもらしからぬ笑みを浮かべナルトを見据えた。
「んで？今日はどういった御用件で？」
「あー！そうだった、そうだった！実は鍵無くしちまってよぉ。新しいの作って欲しいんだってばよ！」
「またかよ！お前今月5回目だぞ!!」
ナルトはばつが悪そうに頬を掻いた。Aはため息を吐きつつナルトの頭を乱暴に撫でた。
「仕方ねぇな！作ってやるからついでに飯食ってくか？」
「おう!!」
「そのかわりに店閉めるの手伝えよー」
嬉しそうにキラキラとした笑顔を向けるナルトにいつの間にか怒りは去っていた。嬉々としてシャッターを下ろすナルトを見た。Aは気づいていた。本当は鍵を無くしてなんかいないとに。ナルトもAと同じく一人暮らしだ。寂しさをまぎらわすために彼はわざわざ嘘をついているのだろう。そんなことを晩飯を作りながらふと考えていた。
「おお！美味そうだな〜」
「よし！食うぞ！」
机に並べると向かい合わせになり食べ始めた。ナルトの食いっぷりに感心しつつみそ汁をすすった。
「なあ、ナルト」
「ん？なんだってばよ！」
「たまには今度一楽にラーメン食いに行かねぇ？」
そう言うとナルトは勢いよく立ち上がった。目をまん丸くしてナルトを見つめると、今までに無い笑顔のナルトがそこにいた。
「行く！絶っっっ対だからな!!!忘れんなよ!!」
キョトンとしていたが、ふとつられるように笑みが込み上げてきた。前のめりになっているナルトの額にデコピンをした。
「忘れねぇよ！いいから落ち着いて座って食え」
「いってぇ！約束だかんな！」
「ああ、約束だ」
そう言って二人で笑いあったのだった。
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Rin´(プロフ) - tukihoさん» ありがとうございます(о´∀`о)part2へ続いていますので、早めに更新出来るよう頑張ります！ (2017年7月8日 15時) (
レス) id: 71af32377f (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - Rin´さん» とても上手いと思いますよ!!お話面白いので更新頑張って下さいね!! (2017年7月8日 14時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
Rin´(プロフ) - tukihoさん» コメントありがとうございます！その通りです！だじゃれです！ (2017年7月8日 14時) (レス) id: 71af32377f (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - 夢主君の術って『Rock』と『Lock』をかけてるんですか!? (2017年7月8日 14時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
Rin´(プロフ) - マヨラーさん» コメントありがとうございます！負けちゃいましたね。次回に期待しましょう( ＾∀＾) (2017年5月25日 23時) (レス) id: 435c1cb043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin´ | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2017年4月15日 14時
