こたしげ物語

・ ページ27

小瀧side

桃「なぁ」

赤「どうしたんー？」

桃「手、痛い」

さっきから捕まれてる腕が痛すぎて、血止まるんちゃうか。

赤「小瀧と撮影が嬉しいねん！」

俺は怖くてしかたないけど。

やってさ、ハグとかあるわけやんか？

首閉められそうやし。

ス「小瀧さん重岡さん、スタンバイお願いしまーす」

お、今日スタッフさんの人数多い。

めちゃめちゃ警戒されとるやんけ。

赤「はよ行こ！」

またまた腕を捕まれて、

あぁ、腕ちぎれそう。

赤「小瀧小瀧！」

まだなんも指示されてへんのに、背中の上乗っかってきた。

非常に重たいんですけど。

ス「小瀧さんもう少し笑顔でお願いしまーす」

俺が言われるんかい。

まぁしげは弾けるくらいの笑顔なんやろうけど。

ほんまなんでペア撮影許可したん。

疑問しかないけど、こうなったらやるしかないしな。

今度は俺が、後ろからしげを抱きしめる、

みたいなことをしてみた。

うん、今めっちゃアイドルしてる気分。

と、カメラマンさんが顔を出して

ス「重岡さーん、笑顔でお願いしまーす」

今度はしげが言われとる。

桃「笑えってよ」

さっきまでのうるさ………元気なしげはどこへやら、

なんも話そうとしない。

桃「しげ？」

赤「あ、かん！」

顔を背けられた。

ふーん、なんかおもろい。

桃「なーんで笑えへんの？」

赤「ま、ま、ま、待って！」

桃「なんでー？」

こんなやり取りしてる間も、カメラはパシャパシャと音をたてる。

なんか、恥ずかし。

桃「なんでそんな照れてるん？」

顔を背けてるとはいえ、耳まで真っ赤なのはバレバレ。

え、後ろからハグしただけで？

そんな照れる？

いつも抱きついてくるくせに？

相変わらず重岡大毅っていう生態はよく分からへん。

赤「お、俺やって！き、緊張、するんやもん」

桃「なんで？」

赤「な、んでってそれは…………き、やから」

桃「ん？なに？」

赤「好きやから！……………もうあかん、」

ほんま、俺のこと大好きすぎやわ。

まぁ、俺は言ってやらんけど。

赤「小瀧も、やろ、？」

桃「さぁ？」

赤「なーんーで！言ってや！」

桃「なんの話？」

赤「もう小瀧！」

もちろん撮影は全く進まず、

また俺らのペア撮影は禁止になりましたとさ。

めでたしめでたし、

って、なにもめでたくないわな。




Fin.

小瀧の看病は俺がする！(リクエスト)→←念願のペア撮影！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す