不器用なふたり[２]

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中間side

あれから１週間、しげを見かけることはなくなった。

また会えない日々が続くんや。

桃「淳太さん………好きです」

のんちゃんとは、傷つけたくなくて今も別れられないでいる。

黄「……ここ店やから」

前にまわってきた手を優しく離す。

眉をさげて悲しそうに笑って。

その表情が切なくて。

なんで俺はのんちゃんを好きになれないんやろ。

好きになりたいのに。

誰も傷つけたくないのに。

気持ちが顔に出てたのか、のんちゃんは俺の顔を両手で包んで。

桃「……そんな悲しい顔しないでください」

申し訳なさそうに笑った。

そんなのんちゃんをほっとけるはずなくて。

桃「え………」

諦めよう。

もう会えないんやから。

しげのことは諦めるんや。

きっといつか忘れられる。

のんちゃんが、忘れさせてくれる。

忘れさせて、くれるやろ？

桃「淳太さん………っ」

のんちゃんの背中に手をまわした。

桃「……俺のこと………少しは好きになってくれましたか………？」

黄「………なったで」

のんちゃんに触れられて熱くなったり、ドキドキしたり。

のんちゃんのことは、好き。

ただあいつのことが忘れられないだけ。

やから、きっと俺はのんちゃんのことを大好きになれる。

あいつのことを忘れられれば、俺ものんちゃんもあいつも、幸せになれる。

黄「好きやで………のんちゃん」

無責任でもいい。

自分勝手でもいい。

弱虫でもいい。

もうこんな苦しい思いはしたくないんや。

のんちゃんから離れれば目が合って。

静かな時間が流れる。

のんちゃんが優しく笑って、顔を近づけて。

初めて、唇が触れ合った。

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