陸 ページ32
低い唸り声を上げた狼は一番近い獲物、私へと体を向ける。
シ「Aッ！！」
瞬時に龍に変化したシャオロンは、狼から私を庇うように私の前へと飛び込んでくる。
そして同時に、こちらに何かを投げつけた。
『わッ！？』
シ「コイツは俺が相手する。Aはそっちの半妖を頼んだで！」
シャオロンに投げられたものは、私がいつも使っている弓と数本の矢だった。
『ちょ、ちょっとまってよシャオちゃん！』
ゾ「よそ見しとる暇あるん……ッ！？」
ゾムの声と同時に目の前でぶつかり合う狼と龍。
激しいその戦闘に、改めて人外同士の戦いなんだと思い知らされる。
『シャオちゃんッ！！』
ロ「A」
ふいに後ろから聞こえた悲しそうな声。
振り返ると、ロボロが自分の欠けた爪を眺めながらこちらに歩み寄ってきていた。
ロ「その様子やと、誘いは断ったみたいやな。……残念や」
『……ロボロ。最初から、全部わざとだったの？わざと私に近づいてきてたの？人狼ってことを隠して……ッ！』
ロ「そうや。でもAだって同じやろ？巫女だってことは周りの人間には黙っとる」
『本気なの？この町の人間を全て食らいつくすって』
ロ「勿論。俺らは今まで散々命を狙われてきたんや。何もおかしくはないはずやで」
『だけど……ッ！』
ロ「文句があるんだったら、俺を殺して無理矢理にでも止めるんやなッ！！」
次の瞬間、ロボロは爪を立ててこちらに飛びかかってくる。
私はそれを間一髪のところで交わし、反射的に弓を構える。
……いや、ダメだ。
戦っても何も解決しない！なんの意味もない！
私は弓を下ろし、ロボロに背を向けて階段へと駆け出す。
ロ「鬼ごっこ？さすがに人間に負けるほど俺も劣等生ではないんやでッ！」
後ろから追いかけてくる足音を聞きながら、私はシャオロンの方に顔を向けて叫ぶ。
『シャオちゃん！！ゾムさんを殺しちゃダメだからねッ！！』
シ「はぁッ！？」
シャオロンの言葉を最後に、私は階段を一気に駆け降りた。
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シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
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