肆 ページ22
＿＿キャハハ、ハ
不気味な声が聞こえた次の瞬間。
Aと最も近い場所に立っていた金髪の男子から、黒い靄が飛びだした。
『ひゃっ！？』
シ「ッ！！」
俺は瞬時に龍へ変化し、Aに飛びかかろうとした影を食らう。
すると境内にいた男子全員が、まるで操り人形の糸が切れたかのようにパタリと倒れた。
『え？え？……龍神、様？』
Aはキョロキョロと辺りを見回した後、最後に俺に視線を向ける。
……まさか、わかってたんか？
コイツらは最初から影に操られているだけだって。
それを知った上で自分の体質を利用し、影を引きずり出した。
だとしたら……
人間の姿に戻り、Aの方に歩み寄る。
『ッ！』
Aは怒られると思ったのか、ギュッと堅く目を瞑った。
『……え？』
Aside
私に降りかかってきたのは想像していた罵倒なんかではなく、背中に回された暖かい腕。
驚いて目を開けると、私の肩に顔を埋める龍神様の姿が。
『龍神様……？』
まるで割れ物を扱うように優しく、抱き締められる。
シ「……ありがとな。この場所、守ってくれて」
龍神様の声が耳元で聞こえた。
シ「全然気づけへんかったわ……あの人間に、影がついとったこと。こんなん、神様失格や」
『そ、そんなことないですよ！龍神様は立派な神様です。それに……それに、私だって気づけませんでしたし』
シ「……は？」
龍神様は背中に回していた腕を離し、その腕で今度は私の肩を掴んだ。
そして目を丸くさせ、龍神様は問う。
シ「え……じ、じゃあお前も知らんかったん？」
『は、はい。いきなり影が襲いかかってきて、びっくりして……私じゃ影を倒せませんし、どうしようかと……』
私がそう言うと、龍神様は気が抜けたかのようにはあぁと大きくため息をついた。
『どうかしましたか……？』
シ「……いや、なんでもないわ」
『そうですか？
……でも、ちょっと変だなとは思いました。コネくんは元々、こういうことをするような人じゃないですし……』
シ「知り合いなん？」
『はい。同じ小学校で、中学もクラスは違うけど同じとこに通っていて……』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
