伍 ページ11
あれから私達はひとらん達と別れ、私達の町へと戻る。
大先生を家へ送り届ける頃には、辺りはもうすっかり暗くなっていた。
鬱「じゃあ、今日はホンマにありがとうな」
大先生は家の前で、私とシャオロンにもう一度お礼を言う。
『いいって。大先生が無事でよかったよ。それより今日のことは、皆には内緒にしてもらいたいんだけど……』
鬱「わかっとるよ。それに、言っても誰も信じてくれへんと思うし。……さっきも言ったけど、僕結構見える方やねん。だから、そういうときはAちゃんに相談したりとかしてええ？」
『もちろ』
シ「アカン」
『なんで断ってるのシャオちゃん！？……うん。私もできる限りのことは精一杯やるから。じゃあ、またね！』
鬱「おん！また明日な」
大先生に向けて手を振り、再び変化したシャオロンに乗った。
『……ねぇ、シャオちゃん』
シ「なんや？」
『シャオちゃんさ、昨日【獣】みたいな臭いがするって言ってたよね。……今日、シャオちゃんが来る前に見た気がするの。
＿＿凄い妖気を纏った狼を』
物凄い速さで影を切り裂き、狼の目は真っ直ぐにこちらを見ていた。
シ「狼？俺がA達を受け止めたときは、妙な妖気は感じなかったで？」
『うん。その時はもう妖気もぷっつり途絶えてて……』
シ「見間違いじゃないん？」
『そんなはずないよ。もしそうだったら、影は無傷でシャオちゃんにも襲いかかってる筈でしょ？
あの狼、なんだったんだろう？あやかしなら影の仲間だし、助けてくれるわけないよね？』
シ「……ようわからんけど、別にA達を助けたわけじゃないかもしれへんよ」
『どういうこと？』
シ「巫女の噂を聞きつけて、A を狙ってきたとか」
あの狼が、私を？
倒される前に、倒しに来たってこと？
『……え、待って無理。勝てる気しない』
シ「それでも巫女か！！……まぁそうやないかもしれんし、しばらくは様子見やな。Aも一応警戒しときや」
『うん……』
シャオロンにそう言われ、狼の話が終わった。
そして私の中には1つの疑問が残る。
『……あれ？じゃあシャオちゃん、なんで学校にきてたの？てっきり、狼の妖気を感じて来たんだと思ってたんだけど』
シ「ん？……あ、そうやった。Aが家を出た後な、お客さんが来たんや」
『お客さん？それって私の家に？それとも黄魄神社の方に？』
シ「後者やな」
『え、凄い待たせちゃってるじゃんそれ！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
