都市の温度/1 ページ7
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アメリカツアーでの一番の思い出は、メンバーみんなとヨンホのふるさとを訪れたことだろうか。
車窓を眺める彼は、いつもよりも静かだった。ビルが所狭しと並ぶ韓国や日本と違って、ゆったりとした時間が流れていそうなアメリカの景色。ヨンホとの付き合いは誰よりも長いし、ヨンホと私は戦友のようなものだけれど、彼のふるさとであるシカゴに足を踏み入れたのは初めてのことだった。
「ヨンホ」
「ん？」
「わたし“も”緊張してる」
「アッハハ」
もう言葉にせずともわかるのだ。ヨンホは私の言葉を聞くと、こわばっていた表情を緩ませて笑った。シカゴの一角、Suh家の人々は大きな段幕を持って、皆一様に笑顔を浮かべていた。Welcome To Home、そう書かれた横断幕は遠くからでもよく目立った。
「ジャニヤ」
大きな愛を孕んだその声の持ち主はヨンホのお母さんに違いない。お母さんに急かされるままに家に入るとヨンホのお母さんは私を見てヨンホによく似た目元を三日月にして、私の頬を掴んで引き寄せた。
「A、久しぶりね〜！」
「んふふ、お母さんお久しぶりです」
頰をすり合わせ、キスを落とすアメリカ式の挨拶。ヨンホは気恥ずかしさからか居心地が悪そうだったけれど、宿舎生活が長い私たちが久しぶりに家の温かさを感じた瞬間だった。途端に遠く離れた日本が恋しくなって、ヨンホの家をまじまじと観察する悠太くんの近くに寄ると「なんや急に」と眉を顰められる。
「アメリカの家ってやっぱデカいねんな」
「土地の大きさが違うもんね」
「帰りたいんか？」
「ウン、そうかも」
「俺もや」
そう呟いた悠太くんの視線の先にはヨンホの幼少期の写真の数々があった。どれも愛を込めて撮られたであろうことは容易に想像できる。
私と出会う前のヨンホ、私も知らなかったアメリカでのヨンホが明確な輪郭を持ってゆく。
ヨンホの家族にヨンホの育った街、ヨンホの育った家。
明日の公演に来るファンたちはきっと、ヨンホの帰りを心待ちにしていたに違いない。大阪のファンが悠太くんを温かく迎えるように。私に“おかえり”を言ってくれる、埼玉があるように。
「ヒョン、ヌナ。肉焼けたってさ」
部屋に呼びに来たドヨンイの一声に、弾かれたように立ち上がった私と悠太くんは日本の一般的な住宅よりもはるかに立派な庭へと足を進める。
ヨンホのお父さんが焼いているであろう、お肉の香ばしい匂いが私たちの鼻腔を満たした。
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まちゅ(プロフ) - むいさん» 続編ではジェヒョンにフォーカスできたらいいなあと準備しております😌❤︎続編でも何卒よろしくお願いいたします！ (2022年10月2日 13時) (
レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - ちょんぽむさん» わー！ちょんぽむさんありがとうございます♡夢っ子完結おめでとうございます長編お疲れ様でした…！こちらこそこれからも楽しみにしております💞 (2022年10月2日 13時) (レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！続編も楽しみです♡やめろって言われるともっとやりたくなることってありますよね！ね！ジェヒョン？ (2022年10月2日 0時) (レス) @page47 id: bdb62eeb43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんぽむ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…😭私も紅一点もの書いたりしてるのですが、絶対出ないであろう裏設定細かく作っちゃうのすごく共感しちゃいました😂これからも楽しみにしてます💚 (2022年10月1日 22時) (レス) id: d126820032 (このIDを非表示/違反報告)
xuani - まちゅさん» そうなんですね！まちゅ様が意図的になさっていたのに、なんだかお節介妬いてしまって申し訳ないです汗 丁寧なご説明ありがとうございます！これからもお話楽しみにしてます！ (2022年9月11日 9時) (レス) id: 7a071c7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ | 作成日時：2021年1月2日 5時
