mellow

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「テトラポット今日行く予定だったんでしょ？ジェミンから聞いた」
『うん、でもわたしもジェミンも疲れたからいいやってなっちゃった』
「今から行く？」
『ううん、大丈夫。ジェノとビーチ行くの楽しみだから体力残しておかないと』
「……よかった、楽しみにしてるの僕だけかと思ってた」







みんなはかっこいいと言うけれどわたしには可愛いわんちゃんにしか見えない。頬に手を伸ばしてそれを潰すと、普通なら不細工になるはずなのに、それでさえ顔が整っていると分かる造りをしているみたいだ。ジップロックの上からスマホを操作してそれを写真に納め終わり手を離すと、どうなら大人しくやられっぱなしにされる性格ではないらしく、ジェノは同じようにわたしの頬を潰した。伏し目がちにした顔がゆっくりと近付いてくる。何もしてないだろうに睫毛が長くて羨ましいなって、それしか頭に浮かんでこない。









「…喉乾いたし戻ろうか」









わたしはそんなに酷い顔をしていたのだろうか。めちゃくちゃ整っている訳ではないけれど、正直言ってしまうと、美人だったり綺麗だと言われることは多いからまあまあな顔面力だと思っていたんだけど。ジェノたちレベルからしたら酷い部類に入るってことなのかな…なんだか腹が立ったから浮き輪を引っ張っている頭に向かって水をかけると、振り向いたジェノはいつも通りの笑みを浮かべていた。







「遊び足りないならドンヒョクのところ混じってくれば？」
『それはいい』
「僕とビーチ行けなくなったら困るもんね」
『…わたしよりジェノのほうが楽しみにしてるね』








ジェノは無関心で周りに興味が無いとジェミンが言っていたけれどそんなことはないと思う。それが事実なら、有名ではない知る人ぞ知るビーチの情報な、こんなにわくわくしたような表情はしないだろう。その問いかけには答えることはせず、陸を目指して淡々と進んでいく。私が2人でこうしている間に、向こうの2人は何をしているんだろう。乗り換えをして、そこから最寄りまでは1時間くらいかかるからまだまだ解散 しないだろうな。イマークはお姉ちゃんが相手なら、家まで送って行ってあげるんだろうか。









「ねえ、マクヒョンじゃなくて僕のこと考えて」







マクヒョンのこと考えてそんなに可愛い顔しないでよって、そんなことないと思うけど。否定も肯定も出来なかったわたしは、浮き輪を引っ張っているジェノの手をきゅっと握った。

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