mellow

・・ ページ40

どこの高校通ってるの？お姉さんたち大学生なんだけど車出すから今度遊ばない？…内容はからかっているのか本気なのか、どっちともはっきりしないものだった。本気だとしたら最近の女子大生って歳下相手に必死になるほど飢えてるの…？そんな大学生活は送りたくないなあと高校に入学したばかりなのに、数年後に思いを馳せた。





『お待たせしましたかき氷です』
「え？これうちら注文してないけど…」
『じゃあお姉さんたち可愛いのでサービスしますね！内緒ですよ？』






かき氷に気を取られているうちに、イマークのTシャツを引っ張り一緒にさっさと退散をする。みんなにあそこの席のお客さんは面倒だって伝えておかないと…まだ注文聞いてんだけどと慌てているイマークだけど、どうせ料理目当てじゃないだろうし必要ないと思うから、わたしはその伝票を破ってゴミ箱に捨てた。






「何するんだよ、注文中だったのに」






俺が行くともっとあれだろうから、注文ミスってことにしてA届けてくれる？と、実はかき氷を用意してくれたのはシューシー先輩だ。またうろついていたら捕まってしまうだろうからスタッフ専用の休憩室にそのまま入ると、ひと言目がそれで、この人は真面目過ぎて逆に馬鹿なのかもしれないと思った。







『あんな大量な注文して全部食べると思います？最初頼んだやつまだ残ってましたよね？切り抜けられなさそうだったんで嘘ついてまで行ったんですけど』
「…来てくれなんて頼んでないし、これから食べるつもりだったのかもしれないだろ」
『あっそうですか、じゃあもう1回行って注文聞き返してきたらどうですか？多分教えてくれると思うんで』







暑いうえに疲れていて、さらにお腹まで空いているから正常な判断ができずにイライラする。なんでこんな可愛くない言い方しかできないんだろう。お姉ちゃんならもっと可愛く素直に心配する言葉が言えるだろうし、こんな空気にならないでお話できるんだろうな。






「A、もうさっきの客帰った」
『あ、本当ですか？教えてくれてありがとうございますシューシー先輩』





あの2人がいた席に置いてあるお皿には料理がしっかりと残っていた。次のお客さんを案内するために席を片付けようと、残った料理をまとめていると、気まずそうな顔をしたイマークと目が合った。こっちはこれっぽっちも気まずくないし、むしろざまあみろだから言っただろの気持ちの方が強い。イマークなんてもう知らん。

・・・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す