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「髪と化粧やってほしいな…」
ジェノが好きだと教えてくれたあの日から、お姉ちゃんはこうやってわたしにお願いしてくることが多くなった。
隠す必要がなくなったからか、今日はこんな話をした、困っていたら助けてくれた、笑った顔がわんちゃんみたいでかわいいとたくさん教えてくれるようになった(そんなお姉ちゃんが可愛い)。お願いだからジェノは好きな人を諦めるかささと失恋してお姉ちゃんのことを好きになってあげて欲しい。イマークには悪いけれど、やっぱりわたしはお姉ちゃんに1番に幸せになってほしいのだ。
「ジェノくんだ」
『行ってきなよ、わたしはその隣のジェミンと行くから』
「私が声掛けて大丈夫かな」
『もし嫌な顔されたらわたしが怒ってあげる』
お姉ちゃんはジェノの隣のジェミンを気にしているんだと思う。今日だって髪の毛をいじっているとき、ジェミンの名前を出したらあからさまに顔を歪ませ言葉を詰まらせた。2人の間に何かあったか、それともただ苦手なだけかまだ分からないけれど、関係はよくないままだということが伺えた。
「ジェノくん…と、ジェミンくんおはよ」
「あ、Aとお姉さん」
『おはよ』
「今日髪の毛ストレートだけど時間なかったの?」
『違うよ、テレビ出てた女優さんがさらさらストレートでかわいかったから』
…違うだろ!わたしがジェノと話してどうすんの!ジェノもわたしじゃなくてお姉ちゃんを見てよ、いつもより時間があったから髪の毛ふわふわだし、目だってシャドウがキラキラなんだよ!お姉ちゃんに時間使っちゃってわたしは手抜きになっちゃったのも事実だけどさあ…後ろの2人を見ると、お姉ちゃんは俯いてジェミンはひたすらスマホをいじっていた。この2人間違いなく何かあったな…前より漂っている空気が重苦しいもん。
『ナナ〜』
「なあに?」
『放課後…うげ、なんでまた検査してんの…』
「抜き打ちかな」
『昨日一緒に帰ったとき教えてくれてもよかったじゃん、気きかないなイマーク』
「…マクヒョンと帰ったの?」
『待って語弊があった、バイト帰りに塾帰りのイマークと偶然会って、家の途中だからって駅まで送ってもらっただけ』
「…駅までって、それ「はいはい、今日は特別にナナが気引いてあげるから逃げな(名前」」
ジェミンは、俺今髪暗いし大丈夫だよとわたしの頭を撫でると、マクヒョンお昼おごって〜とイマークがこっちを向かないように背中にのしかかっていた。
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rri(プロフ) - すっごくどタイプすぎるお話です…!最高すぎます!!!これからも楽しみにしています!!! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
+(プロフ) - いつも楽しませていただいてます。姉を想う主人公ちゃんが健気で、なんでこんなに良い子なのに気づかないんだ…!と毎回もどかしい感情を抱いてしまいます笑 主人公ちゃんもみんなも幸せになって欲しい泣 応援してます! (2021年2月23日 23時) (レス) id: a20d1c0829 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 文章、展開、設定、みんな好きで何度も読み返してます…これからも楽しみに読ませていただきます!! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 597d1257a6 (このIDを非表示/違反報告)
侑那(プロフ) - わかりそうでわからないマクとジェノの感じが読んでてワクワクします!ナナやエクソ先生たちとの関係も最高です(*´˘`*) (2021年2月8日 15時) (レス) id: 5bbaa8a42e (このIDを非表示/違反報告)
xuu(プロフ) - 語彙力ないので伝わらないかもしれませんが、もうなんというかお話の雰囲気がほんとにどタイプ過ぎます泣応援してます!更新頑張ってください!! (2021年1月17日 19時) (レス) id: c7b9fc6037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2021年1月14日 14時