・・・ ページ22
クーラーを入れるほどまだ暑くはなくて、今日みたいにぽかぽかした日だと眠くなってしまうのは人間の本能だ。いつもならわたしを連れて行くジェノも今日は目がシパシパしている。カップケーキまでしっかり食べて、特にすることがなくなったわたし達は一生懸命睡魔と戦っていた。このままだと本当に昼寝をしてしまいそうだ。
「前髪短いと楽?」
『うん、でもアイロン失敗したらごまかせないからそこだけは嫌だ…切ったこと気付いてたんだ?』
「写真くれたじゃん、何言ってるの?それにーーー」
少しかすれた声で聞かれた質問の答えと同時にわたしも質問をする。そっか、誰かがジェノは心の中で納得するから返信が遅いしこないこともあるって言ってたっけ。言葉の続きを促すと、やっぱりいいやと首を振り、Aのクラスの子のおかげでジェミンもマクヒョンのところに避難したみたい、と微笑んだ。どうやら親衛隊の子がうまく伝えてくれたらしい。
本格的に昼寝をし始めようとしたらちょうど先生が戻ってきて追い出されてしまった。ジェノは先生が来るとシャキッとし出すし、裏切られた気分だ。
『ジェノ放課後暇?』
「うん」
『夕飯食べに行こうよ』
「いいよ」
お姉ちゃんに悪いとは思うけれど、元々わたしたちは友達だし、お姉ちゃんが好きな人だからと言って急に態度を変える訳にはいかない。
『ナナたち来るかな』
「ジェミンは今日無理だと思うよ」
『そうなの?』
「うん、あとの2人はもう予定あるって言ってた」
『ふ〜〜ん、ジェノと2人で行くの初めてだね』
「そうだね」
あの2人そんなこと言ってたっけ?わたしも人の話をしっかり聞くほうではないから聞き落としちゃったのかな。お姉ちゃん呼べば来るかもしれないけれど…うーん、正直ちょっとわたしが気まずいかもしれない。気持ちを知っているからどうにかしてあげたいけれど、何せそういうのがわたしは苦手なのである。
「食べたいもの決めといてね」
『わたしが食べたいやつでいいの?』
「うん。僕そういうの決めるのあんまり得意じゃないから」
眠気はすっかりどこかに吹っ飛び、わたしの脳内は夕飯のことでいっぱいだった。ジェノの好きなもの…?嫌いなものは何だろう…?ジェノに関して意外と知らないことが多いことに気付いてしまった。
1294人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rri(プロフ) - すっごくどタイプすぎるお話です…!最高すぎます!!!これからも楽しみにしています!!! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
+(プロフ) - いつも楽しませていただいてます。姉を想う主人公ちゃんが健気で、なんでこんなに良い子なのに気づかないんだ…!と毎回もどかしい感情を抱いてしまいます笑 主人公ちゃんもみんなも幸せになって欲しい泣 応援してます! (2021年2月23日 23時) (レス) id: a20d1c0829 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 文章、展開、設定、みんな好きで何度も読み返してます…これからも楽しみに読ませていただきます!! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 597d1257a6 (このIDを非表示/違反報告)
侑那(プロフ) - わかりそうでわからないマクとジェノの感じが読んでてワクワクします!ナナやエクソ先生たちとの関係も最高です(*´˘`*) (2021年2月8日 15時) (レス) id: 5bbaa8a42e (このIDを非表示/違反報告)
xuu(プロフ) - 語彙力ないので伝わらないかもしれませんが、もうなんというかお話の雰囲気がほんとにどタイプ過ぎます泣応援してます!更新頑張ってください!! (2021年1月17日 19時) (レス) id: c7b9fc6037 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiki | 作成日時:2021年1月14日 14時