mellow

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お昼の準備をしていたら両隣のクラスにまで聞こえているんじゃないかレベルの声の大きさで名前を呼ばれた。教室前方の入り口に立っていたのはタイムリーすぎるボラム先輩。お前見つかったらやばそうだから逃げな、と言ったドンヒョクは先輩に話しかけ、ロンジュンはわたしを(狭い肩幅で)隠しながら後方のドアから逃してくれた。ついでにそこにいたジェミン親衛隊の子にあいつナナのストーカーと伝えることも忘れずに。


オムライスを食べに行く予定だったのにそれが崩れ、どうしようか悩んでいたらギョンス先生を見つけたから、研究室でお昼を一緒に食べてもらうことにした。




「お昼ないのに誘ったの？」
『本当は外に食べ行くつもりだったんですけど襲撃にあったんで』
「校外に食べに行くのはいけないんだけど」
『…2年のボラム先輩にシメられるところでした』
「あの子また何かしてるの？」




先輩はまさかの前科者だったらしい。前回の被害者はわたしたちと入れ違いで卒業した人で、詳しく話を聞いてみたら今のジェミンみたいな状況が2ヶ月は続いていたと…担任はどうやらあのイ先生らしく、普通にぶん殴りに行きたくなってしまった。


ギョンス先生はわたしを哀れに思ったのかお弁当を分けてくれようとしたけれど、それはさすがに図々しいと思い断ったら、いまさら図々しいも無いと思うけど、と言われて普段の素行を見直そうと誓った。




「A来てますか？」
「うん。あわよくばこのまま寝ようとしてる」




下手に動いて出くわしたくないから授業が始めるギリギリまでここでぐーたらしようと決めて、ソファに仰向けになっていたわたしの額にコンビ二の袋を置いたジェノ。中にはオムライスが入っていて、今日食べに行く予定だったんでしょ？と笑うジェノもここの常連になりつつあるし、カップケーキを人数分買ってきてるのを見ると寛ぐ気しかない。先生もコーヒー入れるねなんて言っているから実は楽しかったりするんだろう。




「ちょっと職員室行ってくるけどいい？」
『いいけど逆にいいんですか？』
「うん。見られて困るものはないし。もしどこか行くなら鍵だけ掛けて持ってきて」






別に悪いことをしている訳ではないのに、胸に突っかかりを感じるのはお姉ちゃんの好きな人と2人でいるからだろうか。この時間をお姉ちゃんにあげられたらいいのに、来てくれたジェノには申し訳ないけれど、そんなことを思ってしまった。

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