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D.S
「……え」
『俺も昔、そんなこと思ってた時期あったよ。勉強も出来て運動も出来て、何でも優秀にこなす心友がずっと隣にいたから』
そう言って、ルイス先生がゆっくり伸びをする。
ルイス先生の心友って、クルーウェル先生じゃ。ちらりと見ると、ルイス先生は頷いて笑った。
『まぁ、今はもう無いけどね。俺がデイヴを羨んでたように、デイヴも俺を羨んでたって知ったし』
「そう、なんですか？」
うん、とルイス先生が笑う。それから思い出すかのように目を細めた。
それから思い出したかのように指を口元に持っていき『内緒ね』とウインクを一つ。それに頷けば、安心したように笑みを浮かべる。
だからさ、とルイス先生が喋りだした。
『エースも、デュースのこと羨んでるかもなぁ』
「それは……、無いと思います。僕には、良いところなんて」
そう顔を上げると、不思議そうな顔をするルイス先生と目があった。ぱちぱちと瞬きをして、ルイス先生が首を傾げる。
なんでさ、と笑って僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
『いつも分からないとこ聞きに来てるでしょ。あれ、凄いなーって見てるよ』
「でもそれは、僕が分からないから……当たり前の」
『その当たり前が出来るのが、凄いんだよ。がむしゃらに頑張るのは、皆が出来ることじゃない。それは、もう才能だと思うよ』
才能。
その言葉が、胸にすっと入ってくる。何故か分からないが、つぅと涙が溢れた。
なんとなく、本当になんとなくだけど。僕が認められた気がした。
そんな僕を見て困ったように笑いながら、ルイス先生は『でもま』と続ける。
『無理して見つけようとしなくて良いんじゃない？絶対、エースが羨むようなデュースだけの武器が見つかるよ』
「……っ、はい！」
ルイス先生の長い指が、僕の心臓のあたりをとんと押す。その言葉に大きく返事をすれば、もう一度頭を撫でられた。
流れた涙をゴシゴシと擦って、ルイス先生を見る。
「あのっ。……また、アイス食べに行っても良いですか」
『……いつでもおいで』
「……エースと、行きます」
そう言って、僕は指導室を出た。
エースは今どこにいるだろうか。見つけたらすぐに謝って、それから……どうしよう。
取り敢えず謝ろう、と階段を駆け上がる。と、そこに見慣れた赤が見えた。
「……いつまで怒られてんの。待ちくたびれたんですけど」
頑張れる才能ー完ー。
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あいらいん - なんでこれ公式じゃないんだろうって思うくらい好き (2023年4月4日 10時) (
レス) @page43 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
硝子ーtengitune.(プロフ) - このラジオに出れるなら私は最近泣いたの所に「プリ〇ュアで泣いた」って言いそう (2021年9月25日 20時) (レス) @page36 id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 碌無者さん» 完全な手違いですね……。消そうと思っていた方じゃない方を消してしまって……。ありがとうございます(ﾉД`) (2021年9月24日 7時) (レス) @page1 id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - あんなに書いてらしたのに続編が消えていて……手違いでしょうか？ ご愁傷さまでございます。 (2021年9月24日 1時) (レス) @page50 id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 了解です！頑張ってください (2021年9月23日 22時) (レス) id: ae4d7ce9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月6日 22時
