足跡を辿って ページ50
『なし』
《止まれええええ！！》
「YUMENOSAKI HIGH SCHOOL……ですか。」
スマホから何やら騒がしい音声が流れてくる。
それを観た彼は、動画を一時停止して画面を凝視した。
ジャージに書かれた英文字の羅列を読み上げる。
そして不敵に微笑んだ。
「面白いことが始まる予感ですね。」
その時、少し鋭い目つきをした青髪の男の子が、彼に近寄ってきた。
まるで不審者を見るような目で彼を見つめる。
「何してんすか。笑ってねぇで、練習再開しますよぉ〜」
「おお、これは失敬。皆さんを待たせていたようで、申し訳ありません。」
「そんな面白いもんでも観てたんすか？」
「いやなに、大したものではありませんよ！」
「大したものじゃないなら余計悪いね！ ぼくを待たせるなんて、悪い日和！」
突然、高貴な雰囲気を纏った薄い緑髪の男の子がびしっと彼を指差す。
その扱いに彼は表情を崩すことなく腰を低くした。
「その通りですな！ 殿下を待たせてしまうなんてとんだ失態！ 今後は自分に厳しく見つめ直していきます！」
「まあまあ落ち着いてくださいよ、いつもはあんたが皆待たせてるんすから。」
「ふん！ ぼくは良いんだね！」
「…皆、練習するなら早くやろう。」
言い合いになり始めた彼らを止めたのは、綺麗な長い
練習着すら着こなす姿は、さながら彫刻のようだった。
「すみません閣下！ さ、やりましょう！」
「…うん。」
「全くもう！」
「機嫌直してくださいよぉ」
素早く位置についた彼らのパフォーマンスは、言葉では語れないほど流麗なものだった。
これは、人生を彩色し始めた彼女がまだ何者でもない時の出来事。
しかし彼らは、今後の彼女に大きく関わっていくこととなる。
「ちょっとお爺ちゃんチカラが強いねええ！！？」
「愛と驚きの後には安らかな眠りをプレゼントってか。」
「はっ……はは、チェーンソーは嘘ですよね…？」
「こいつ…既に狂ってやがるぜ。手の施しようがない。」
「『ゴマぽん』じゃねえって言ってんだろ！！！」
彼女の人生の彩りはまだまだ増える。
____続編。
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
