浅紅へ嵌まれ＿kwkm ページ46
「深紅に染まれ」の続編にあたります。
***
あの満月の夜、私を下した彼は……拓朗は今。
私が運転する四輪バギーの横、助手席でうたた寝をしている。
こんな奴に“さん”なんて敬称付けてたまるか。
そこそこに整備された土の道、心地よい振動の中健やかに眠る彼はあの夜と同一人物とは思えない。
……目にかかった前髪、あれ鬱陶しくないのだろうか。
道に目をやる、暫くは一本道。
今なら……そう思い片手ハンドル、右手を腰に掛ける。
「……あっ」
失念していた、私の所有物は全て彼に預けられたのだった。
無論腰のリボルバーも例に漏れず、今は彼の右手に握られている。
余裕をぶっこいて寝ているのも、瞬殺されないという安心と自信。
ムカつく。
いっそ、紐で首を締めれば私でも。
「全く……呑気なもんだ。武器さえなければやられないとでも思ってんのか」
「呑気はそっちやろ、此方が大人しくしとったら調子に乗って」
いつ起きたんだか、私の左のこめかみにはリボルバーの銃口が押し付けられている。
ここが真っ直ぐな道で良かった、カーブでもあったら危ないし。
驚いてまともに運転できたものじゃないから。
横に視線をやれば、明るみに晒された彼の悔しくも整った顔。
しかし絹糸のような赤から覗く瞳は氷の如く冷酷、非道そのもの。
「……何の真似？」
「言うことを聞かない僮に躾を」
「はっ、誰が素直になんか……」
はったりをかましていると、身体が慣性に乗っ取って前につんのめる。
奴の足がブレーキを踏んでいた、タイヤが嫌な音をたてて耳に障る。
ハンドルを握る手に力を入れて何とか顔面衝突を免れる。
「……馬鹿なの？」
「主人に対して減らず口か」
「あんた自惚れてっ……」
言葉を紡ぐ口に、いや、正確には喉に。
潰れるんじゃないかと思う程の圧がかかったせいで、続きは言えなかった。
独特な匂いのエンジンを吐き出すバギーの中、閉鎖された空間で飛び散る火花。
私は頭をガラスに叩きつけられて、奴に首部を絞められている。
銃口は私の眉間を捉えて、引き金は彼の指によって軽く引かれている。
動こうにも生憎シートベルトが邪魔をする……上に息が出来ないせいで激しく動けない。
「こっ、ろせない……癖にっ……！」
「冗談だけは上手いんやね」
首輪のように私の首を拘束する、男性らしい大きな手。
此方が両手で応戦してもびくともせず、力は強まるばかり。
こいつ、本気だ。
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杠-ゆずりは-@発狂同盟 - 山さん» あっ、迷走してらしてるんですね…私は、最後にきっぱり片付ける文(？？？)というものが好きでして…w特にfkrさんの誘拐(？)の話みたいな終わりかたが好きなんです〜あっ、ご丁寧にどうも…此方こそお世話になります(？) (2019年10月8日 21時) (
レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - 杠-ゆずりは-@発狂同盟さん» 了解しました。とても素敵なシチュ……おみそれしました(謎) 個人的に完結方法に迷走する中、そう言って頂けると大変自信に繋がります。どうぞ続編でもご贔屓に(??) (2019年10月8日 21時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
杠-ゆずりは-@発狂同盟 - 山さん» いや、まぁ…全部好きです((((尊いことに変わりはないのでおっけーです(((り、リクエスト…！私はkwkmさんが大好きなので、夢主ちゃんが振られたあとに慰めて付き合う…的な…？(語彙力なくてすみません)のがみたいです！検討していただけたら幸いです…！ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - やまうみ。さん» 了解致しました。区切り上続編でのご提供となりますのでご了承下さい。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 先程はありがとうございました(土下座) 浅紅に嵌まれ大好きです。山様のガチ勢ですのでリクエストします(？) どこか儚く消え行きそうな夢主ちゃんをymmtさんが好きになるお話が見たいです。エンドは恋に落ちるところでも結ばれるところでも。シチュはお任せします。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
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