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家と最寄り駅の20分の距離の間に、私の幸せが詰まった秘密基地がある。


それは1年前に見つけた、少し小道に入ったところにある"alone"というカフェ。


カウンター席が4つと、2.4人がけのテーブルが3つだけの小さなコーヒー屋さん。


金曜日の仕事終わり、先輩からの飲みのお誘いを丁重に断って少し早足で電車に乗り込む。


金曜日は、お母さんが会社の会議で帰りが遅いから、金曜日だけの私のルール。



カランコロン…



木製の扉を開けると、そこは私のトクベツな空間。
こんばんはと小さな声で店内に入ると、カウンターにいるバリスタのお兄さんが、小さく頭を下げてくれる。



穏やかなスウィングが流れる店内は、香ばしいコーヒーの香りいっぱいで、一歩足を踏み入れただけで1週間の疲れとかいろんな嫌なものが吹っ飛んじゃう。


決まって窓際の2人がけのテーブルにかけると
バリスタのお兄さんが水を持って注文を聞きにやってくる




「こんばんは」

「本日のドリップコーヒーください」

「かしこまりました」




お兄さんがカウンターに戻ると、私はカバンから本を取り出して"今週の本"を読み始める。

1週間に1冊読書するようにしていて、金曜日にこのお店で過ごす1時間くらいで読み終えるルーティンになった。

今週の本は恋愛小説で、ちょうど主人公が自分のことを思ってくれている本当の人に気づくところから読み始める。



ぺらぺらと本の紙が擦れる音と
カウンターでバリスタのお兄さんがゆっくりハンドドリップしている音と香り。




「お待たせしました。本日はコロンビア産でご用意しております。」

「ありがとうございます」




彼とはこの程度の言葉のやり取りくらい。

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Chapi(プロフ) - ふーさん» ふー様 お返事が大変遅くなり申し訳ございません!素敵なご感想をくださり、ありがとうございます。私自身慌ただしい日々の中で心落ち着かせる時間って大切だなと思うので、届いてくださって嬉しいです。ゆったりではありますがこれからもよろしくお願いいたします! (2022年12月11日 21時) (レス) @page39 id: bb7ad5c321 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - 更新ありがとうございます!このお話読んでいると私の時間までゆっくり流れるような気がして、世界が少し優しくなります。ありがとうございます!次の更新も楽しみにしています^^ (2022年10月24日 19時) (レス) @page38 id: aa1a944516 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chapi | 作成日時:2020年9月14日 23時

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