5 ページ5
.
ジュン side
此処に来てから月日は経って、だいぶこの家に慣れてきた。
分かったことは沢山ある。
ミナさんは、清楚そうな見た目に反してすっごく大雑把な人で。
Aさんは、そんなミナさんを厳しくも守る、しっかりした人だってこと。
たまに、どっちが母親か分からなくなる。
そんな二人が面白くて、僕にもだいぶ笑顔が増えた。
親を亡くしてまだ全時は過ぎていないけど、少しずつ、立ち直れている気がする。
「ジュン、明日入学式だね。」
僕の髪をドライヤーで乾かしながら、Aさんは話しかけてくる。
「うん。少し緊張する…。」
地元の友達もいないから、転校してきたようなもんだ。
親がいないこと、皆受け入れてくれるのかな…って心配に思ってたら
それを察したのかAさんが、僕の頭を優しく撫でてくれた。
「ジュン。緊張しなくて大丈夫だよ。ジュンには私とお母さんがいるから。
…なにかあったら、お姉ちゃんがジュンのこと助けに行くからね」
急に真面目な顔をして意気込むAさんが面白くて、思わず笑っちゃった。
「ジュン！なんで笑うの〜？」
「っははは。だってAさんが面白くて。」
不思議そうな顔をしたAさんは、その後すぐに真顔になって、僕にこう言った。
「ジュン、Aさんっていうのやめない？
…お姉ちゃんか、Aって呼ばれたいなぁ」
Aさんは、ぷくーとほっぺを膨らませて、僕の頭をつんつんする。
……そっか。僕たち、“姉弟”だもんね。
「うん…。じゃあ、お姉ちゃんって呼ぶ」
「！ …ジュン、可愛い〜」
僕のほっぺをうりうりして、お姉ちゃんは満足そうにしていた。
…ほんとは、Aなんて呼び捨てする勇気が無かったから、お姉ちゃんにしたんだけどね。
そんなことを思いながら、お姉ちゃんを見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し26313号(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。ジュンと主人公の反応とかが可愛くて今後の展開が楽しみです！更新頑張ってください。 (2020年3月28日 21時) (
レス) id: 40840743fa (このIDを非表示/違反報告)
モノトーン - とっても面白くて可愛くてこのお話大好きです！！更新応援してますね！ (2020年3月28日 20時) (レス) id: ec5d80a5b4 (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白いです！今後も更新楽しみにしてます！ (2020年3月27日 19時) (レス) id: 084d5d2c2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨルの最中
| 作成日時：2020年3月24日 22時
