47 弱音 ページ8
「…ねぇ、Aちゃん」
夜、Aの部屋に集まっていた二人。
敦が不意に口を開いた。
「体育祭ってさ、何するの？」
その声には何処か不安も混じっている。
敦はソファに体育座りで座っていた。
それを感じ取ったAは少し優しめに言う。
「他人より早くゴール出来るように走ったり、協力して騎馬をつくって戦ったり、一人一人のもあれば協力するのもある」
敦は不安そうにきゅっと足を抱えている腕に力を込めた。
「協力、大丈夫かな。」
学校は初めて、転校してきたばかりで不安を感じているらしい。
「ふん、弱音か」
芥川が鼻で笑う。
こっちは不安は感じて無さそうに見えるが、Aには隠せていなかった。
「煩いな。
僕、一人のはどうにかなると思うけど、協力何てした事ないから…」
Aは敦をじっと見つめる。
敦は、共闘はした事があるけど、それ以外は無い。
でも、それが私の知って欲しい事の一つ。二人を学校に入れた理由。
「…クラスメイトが嫌い？」
敦は高速で首を横に振る。
「ううん、だって部外者の僕に優しくしてくれて、仲良くなれたし。」
Aはそっと笑うと、敦の頭をくしゃりと撫でた。
「なら、大丈夫。その人達と協力すればいい。」
敦は安心したように、Aを見上げた。
「…うん」
「そろそろ部屋に戻りな。私は龍と少し話すから」
敦はチラリと芥川を見ると頷いて、部屋を出ていった。
「…さて、龍」
部屋の隅に立ち、斜め下を向いている芥川。
「私には隠せないよ、」
Aは芥川に近づく。
「言ってみな、敦はいない」
芥川の前で立ち止まったA。
やがて、小さく呟くように芥川が口を開いた。
「…マフィアにいた頃は、協力等必要無かった」
「無かった、じゃない。しなかった、でしょ」
「…あぁ」
「アンタも協力出来るかが心配な訳？」
芥川は気まずそうに顔を逸らす。
はぁ、とAは溜息をついた。
「切島とか、瀬呂とか、龍に話しかけてくれてるでしょ」
「…それは」
「龍が拒むから。それでもめげずに話しかけてくれる二人に感謝しなさい。」
Aが敦と同じように芥川の頭にも手を置いた。
「まだ友達までいかなくてもいい。他人以上の関係の人をつくりなさい。」
あの二人は、なろうとしてくれてるのだから。
「龍なら、できる」
芥川の表情は変わらないが、Aはちゃんと分かっていた。
「…善処する」
Aは優しく笑った。
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レイン - 初コメ失礼します。体育祭どうなるのかとても楽しみです！更新待っています! (2020年8月4日 22時) (
レス) id: ab1b7dcd95 (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。体育祭は私も色々と楽しく考えています。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 17時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 体育祭、どんな展開になるのか楽しみ！更新頑張ってください!これからも応援してます！ (2019年8月24日 11時) (レス) id: ad6e6193ff (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。私自身もこの夢主の性格はとてもお気に入りです。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 7時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんのキャラがすごく好きです。これからも応援しています！更新頑張って下さい！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: a397175b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ainyami | 作成日時：2019年8月19日 20時
