52 スタート ページ13
｢うぐっ｣
足を踏まれ、敦は痛みに顔を顰める。
スタートゲートは驚く程狭く、人数に合っていない。
ぎゅうぎゅうと人に押されながら敦は流されないよう必死に立っていた。
一方芥川。
彼から放たれている近づくなオーラにより芥川の周辺は人が居なかった。
それどころか彼から離れようと、近くに居る人は押し合いへし合いしながら逃げている。
｢ねぇちょっとあの人殺意ヤバいんだけど…｣
｢もうちょっとそっち寄ってよ。この人怖い｣
ヒソヒソと囁かれている周りを芥川は睨みで一掃する。
芥川は腕を組みじっと始まるのを待っていた。
敦は必死に立ちながら考える。
｢(何でこんなに狭いんだろう…此処広いのに)｣
｢イテッ、すみません…｣
誰かと頭がぶつかり、何処の誰かも分からず謝罪する敦。
｢(…ここまで狭くする理由、勝負は最初からと言う訳か)｣
ケホ、と芥川が一つ咳をする。
｢(Aちゃんが前に言ってた。疑えって。少しでも疑問に思ったら考えろって)｣
敦は顔を上げる。
｢…始まる｣
｢スタァーート！！｣
それと同時に轟が行動を起こした。
｢…最初のふるい｣
轟の右足から氷が放たれ、生徒の足を凍らせていく。
｢(来る！)｣
虎の第六感で何かが来る事を察知した敦。
ぐっと足に力を入れる。
バキッと、骨格の変わるような音がして、彼の両足は虎となり、地面にクレーターを作る。
そして思いっきり飛んだ。
その下を氷が過ぎていく。
｢おおっと中島すげえジャンプ力！！一気に飛んだー！！｣
実況の声を耳に入れながら敦は下を見下ろす。
生徒の頭上の敦はスタートゲートの壁に足を付けるともう一度力を入れ、壁を蹴り、
光のような速さで空を飛んだ。
｢中島もう一回飛んだ！何だ彼奴すげぇ速ぇ！｣
｢彼奴の個性は虎化だからな｣
緊張など、何処かに消えてしまった。
地面に着地した敦は前を向いて走り出す。
彼奴に勝つ為に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 400人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイン - 初コメ失礼します。体育祭どうなるのかとても楽しみです！更新待っています! (2020年8月4日 22時) (
レス) id: ab1b7dcd95 (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。体育祭は私も色々と楽しく考えています。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 17時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 体育祭、どんな展開になるのか楽しみ！更新頑張ってください!これからも応援してます！ (2019年8月24日 11時) (レス) id: ad6e6193ff (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。私自身もこの夢主の性格はとてもお気に入りです。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 7時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんのキャラがすごく好きです。これからも応援しています！更新頑張って下さい！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: a397175b61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ainyami | 作成日時：2019年8月19日 20時
