ホワイトデーを共に過ごすのは？【呪術廻戦】【短編集】

飴と塵2 ページ8

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『ゴミじゃん！』
「どこがゴミなんだよ」


手に落とされたそれをぐしゃりと握った。
ずかずかとゴミ箱に近づいて、勢い良く渡された菓子の包み紙をぶち込む。


勿論、包み紙だけで中身は入っていない。


大股で彼の元に戻り手を振り上げるが、案の定無限に阻まれて笑みを浮かべるその顔を引っぱたく事は叶わなかった。
行き場のない手をぶんぶんと振った。


『…悟に期待した私が馬鹿だった』


ゴミでもティッシュでも私が食べても文句を言うなよと吠える。
ぎゃんぎゃんと噛み付くように吠える私を見て、耳を押さえながら軽口を叩いてきた。
見下ろしてくる彼の、腹の立つ顔と言ったら無い。
意味の分からない怒り方をする私と受け流す彼を見兼ねたのか、すぐ近くに座っていた2人が口を開いた。


「……悟。渡すのはそれじゃないだろう」
「ウケる。小学生じゃん」


助け舟を出してくれた夏油と硝子の方を見つめる。
頼むからもっと言ってくれとアピールしていると、がしがしと頭を掻いた彼がおもむろに机の横に下げてあった紙袋を取り出した。


「…可哀想だからやるよ」
『え？これ私に…？』
「…他に誰がいるんだよ」
『悟…！君って人は！』


感激で少し震えた手でそれを受け取る。
何度も礼を言えば、素っ気ない返事をした後にそっぽを向かれた。

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