ホワイトデーを共に過ごすのは？【呪術廻戦】【短編集】

隠し事2 ページ2

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美味しそうにスイーツを頬張る彼の真横をちらりと見る。
先程から感嘆の声を漏らしながらスイーツを食べる彼の姿に思わず小さく笑ってしまった。
どうかしたのかと問う彼に、目を逸らして誤魔化す。


実は集合場所に来た時に、紙袋を上着で隠すところを見てしまったのだ。


隠しているつもりなのかもしれないが、机の角に上着が引っかかってぺろんとめくれている。
丸見えだ。
おまけにぼこりと上着が不自然に盛り上がっている。


『…悠仁、申し訳ないんだけれど』
「……んぁ？」


ぴたりとフォークを持った手を止めた彼がこちらを見つめてくる。


嗚呼、これは絶対に隠せていると思っている顔だ。


寒い寒いと言いつつ持っている上着は頑なに着なかったし、抱えたそれからは服とは思えぬ音がしていた。
寒いなら上着を着れば良いのに、と言えばやはり寒くないだとか、俺の手が寒いと言っているだとか、妙な言い訳ばかりしていた。
わざわざ指摘するのもと思ったが、彼が隠したい物なら教えた方が良いだろう。


『その、紙袋。上着めくれて見えてるよ』
「……は！？まじで？」


目にも止まらぬ速さで紙袋に上着を掛け直す。
わたわたと慌てふためいた後、長く溜息をついた。
顔を覆ってやってしまったと零す彼を見て、失礼だとは思うが何と可愛らしいミスだろうとぼんやり考える。
慰めようと手を止めて口を開いた。
その途端、がしりと腕を掴まれた。

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