09:ゼラニウム ページ10
▽
「Aちゃんだっけ?苗字は?」
「てかあのクソイケメン誰?」
「苗字、は星咲です。あのクソイケメンは私の職場仲間ですね」
合コン参加から二十分。早々に帰りたい。
合コン会場は居酒屋。
無駄にお洒落なイタリアンレストランよりは気を遣わないし友人のセレクトにも感謝したものだ。
男性陣が私に一点集中してることを除いては。
私は美人でもないし普通そんなこと有り得ないのだけど、何故かなんて考える暇もないくらいその理由は明らかだった。
「安室さんって言うんですねー!」
「探偵なんですか?!かっこい〜!!」
女性陣はうちの鬼上司に釘付けだからだ。
それも大学では勿論星野の姓を名乗っていた私が星咲と名乗ることさえ大して気にとめないほど。
すみません男性陣の方うちの上司が無駄にルックス良くて!!
男性陣からの質問攻撃に愛想笑いで返しながらカクテルを飲む。
いっそ酔えたら楽なのに畜生公安め。
大体降谷さんだってあむぴスマイル振り撒きすぎなんだ。
ここに居る男性陣の中で一番年増なのに一番若々しいのなんでですか。
ここが合コンの席じゃなけりゃ「ベビーフェイスが役に立って良かったですね」くらい言ってやったのに。
友人たちをはべらかしている降谷さんを眉間にしわを寄せながら見ていると、帝丹高校の教師をしているらしい男性が隣に腰掛けてきた。
隣に座っていた友人は既に降谷さんの隣に移動済み。ほんっとモテるなあの人。
店員さんにビールの追加を頼んだその人は、頬杖を付きながら口を開いた。
「星咲さんって帝丹高校通ってたでしょ?」
「ぶっ」
思わず吹き出しそうになった私は悪くないと思う。
まずいまずい卒業アルバムとか全員分処理できるわけないからご健在だ。
そっから辿られたら本名バレて問い詰められて…ダメだ考えたくない。
だらだらと冷や汗を流していると、男性は慌てたように弁解しだした。
「あ、ごめん急に母校言い当てられたら怖いよな…!実は高校に星咲さんの写真が残ってて」
「え、何処ですか?!」
「確か剣道部の部室だったかなぁ…」
え、マジで言ってる?発狂するよ??
私写真は残すなってあれ程言ったし何なら燃やそうとして顧問に止められたんだけど。
まぁあれは受賞トロフィー持ってるだけで名前書いてないし、今度処理すればいいか…。
新たに加わった予定に、手帳を見ながら次の休みを確認していると男性はさらに爆弾発言を投下した。
「そんで俺星咲さんと同期なんだよね…」
「マジかよおい」
家庭の事情が重い子劇場の開幕だ。
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壟薇 - 続き楽しみにしてます!!!! (2019年9月1日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます…!すぐに修正させていただきます! (2019年7月28日 0時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 11話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年7月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です…!今後も楽しんで頂けるよう頑張りますね! (2019年7月20日 19時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん - 面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 13時) (レス) id: aa34414ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haruno | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月10日 1時