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06:アンズ ページ7




ポアロでの尋問の翌日。
私はまた鬼上司の隣で報告書を作成していた。


「降谷さん私あの子怖いです」

「ウケる」

「ウケないでください」


そう言うと降谷さんは可笑しそうに笑う。
何がおかしい正体モロバレてんですよ降谷さん!!

あの無邪気な笑みに隠された鋭い目を思い出して身震いする。


何処か降谷さんに似ているようで、本質的には違うような。透き通った瞳。


「ほんと、気を付けてくださいよ」


あの子は何者かも知れないんですから。と付け加えてため息をつく。

あの様子だと全部見透かされている。

何の動きもないことが返って恐ろしい。


そう言うと、暫く笑っていた降谷さんが「コナン君は大丈夫だ。しかももうバレてる手遅れ」と悟りを開いたような顔で言い出した。

はぁ?!私がポアロで必死に笑顔作った意味!!


「え、何時からですか馬鹿なんですか?!」

「おい馬鹿ってなんだよ!サミット警備…いやそれより前からからほぼ確実に気づかれてはいたけど」


サミット警備。その単語に顔が引きつった。

あの時、降谷さんが怪我をして帰ってきた。コナン君を恐ろしいと言った。


『あの子小学生ですよ?ウケる』
『ウケんな』


めったに怪我をしない降谷さんのそんな姿を見て、私は軽口しか叩けなかった。


降谷さんが居なくなってしまう。

そんな漠然とした恐怖に囚われて、泣きそうに震えた声で笑っていた。


そんな私に、きっと降谷さんは気づいている。


居なくならないで下さい。
そんなこと言えるわけないじゃない。

こんな職場で働いているこの人に。


降谷さんも、私も。
いつ死んでしまうかわからないのに。

なんでこの人を好きになってしまったんだろう。

優しくも何ともない降谷さんなんて嫌いになれると思っていた。


「僕はもう居なくならないよ」


ああ、そんな思考も読まれてしまう。

私が未だに貴方を吹っ切れていないことさえわかった上で、微笑みかける。


「ムカつくなぁ」

「ほんとお前上司に向かって…!」


ムカつく。何処までも他人に厳しく自分にはさらに厳しい鬼上司のくせに。

優しくなんてしないで欲しい。
飴と鞭なら飴はいらないから。


そろそろ、貴方のことを嫌いにならせて欲しい。

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壟薇 - 続き楽しみにしてます!!!! (2019年9月1日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます…!すぐに修正させていただきます! (2019年7月28日 0時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 11話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年7月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です…!今後も楽しんで頂けるよう頑張りますね! (2019年7月20日 19時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん - 面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 13時) (レス) id: aa34414ff5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:haruno | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月10日 1時

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