先生たちに支配されるな！【実話】

20.本格練習、始動？ ページ21

今日は、多目的室と体育館が練習場所として当たっていた。
そして、2日前の今日、小道具や背景も入れて、クラス全員で練習する事になった。

劇中、正面で見ている私と由梨は感想を言い合っていた。

「悠大相変わらず表情硬い」
「あいつもっと笑えるよね」

「正面から見たら後輩重なって見えるよね、縦に並んでもらうか？」
「でも正面って通路じゃない？だったら問題ないかも」
「あ、そっか」

「貴男まだ棒読み感拭えない…」
「演技もうちょいいけるかもね」

「ここの台詞消したんだっけ？無くても繋がると思いますか監督？」
「あるに越した事ないよね…」

「玲矢あいつよくここの台詞忘れるね」
「ここまでの流れが女子ばっかだから確かに入りにくいもんね」

「ふるさと、今日良い感じ」
「音量は良いけど、私前の歌い方の方が良かった」

「彪ちゃん笑うな」
「そして滑舌が悪い」

「タイミング早くね？そしてチャラい」
「まあまあまあ、」

「シリアス感出たら良いね、ここ」
「明るい場面じゃないもんね」

「もっとアホっぽくって良いと思う」
「うーん…」

「笑い方が狂ってる」
「やばい奴にしか見えない」
「そして男子たち暗いんだけど。苺ちゃんと麻央しか楽しそうに見えない」

…すごいな、こんな細かいところ突っ込まれるまで完璧になってんだ。
キャストの人たちすごい。

「じゃあ、キャストのみんなー！花凛の周りに集まって！今の劇を見てのアドバイスです！花凛、よろしくね！」

え、私1人？？監督ー！
まあ良いや、とりあえず時間がもったいない。

「由梨と言ってたところを、最初から順を追っていきます。えーっと、最初の悠大の転校挨拶！もっと笑顔の方が良いと思う。次が野球部のところで…」

おい、誰も聞いてないやん。
キャスト陣女子でも聞いてる人と遊んでいる人がちらほら。
アドバイスもラストに差し掛かった。
なんで由梨はあっちで遊んでるの⁉
苺ちゃん以外誰も聞いてないわ！
もう私のやる意味ない！
知るか！こんな意識低いクラス！

「もう良い！苺ちゃん以外、誰もロクに聞いてない。勝手にすれば？私はもう知らない」

台本を床に叩きつけて、練習中だったが、私は多目的室を後にした。

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この一連は「直前の台風篇」と名付けます。

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