38. 声だけで ページ38
翌日もやはり常務はいない。
スケジュールも一日中会議になっている。
専務に聞いてみようか。
いや、ハードルが高すぎる。
専務の秘書の林田さんに聞いてみよう。
専務室に内線をかけた。
A「香月です。お忙しい所すみません。林田さんにお聞きしたいことがありまして」
常務がいないこと、指示もないこと、今どこにいるのか、秘書として困っていることを話した。
すると、林田さんは思いがけない言葉がを発した。
林田「Aちゃんも？」
A「えっ？Aちゃんもって・・・もしかして」
林田「そうなのよ。専務もここにはいらっしゃらないの。一応連絡はあるのだけど、どこにいるのかおっしゃらないの」
A「常務もご一緒なんでしょうか」
林田「分からないのよ。でもそのうち戻って来るわよ。それまで私達はここでできる仕事をしましょう」
A「はい、ありがとうございました」
専務もいないんだ・・・
それから三日後の夜、電話がなった。
画面を見ると「チャンミン」の文字。
急いで出て、
A「シム常務！どこにいらっしゃるんですか！」
常務が話すより先に叫んだ。
シム常務「相変わらず色気のない声だな。しかもシム常務なんて呼びやがって(笑)」
常務の声、５日ぶり。
たった５日なのに、声だけで気持ちは高ぶって涙が出てくる。
A「常・・務」
シム常務「どうした？泣いてるのか？」
優しい声がまた涙を誘う。
でも、
A「泣いてません！」
常務は連絡できない程忙しかったのに、声が聴けたくらいで泣くなんてみっともない。
シム常務「連絡もしなくて悪かったな」
声に疲れがにじみ出ている。
A「お仕事は一段落したんですか？」
シム常務「いや、もう少しかかりそうだ。でも後少しでケリがつくから待っててくれ」
A「は・・い」
シム常務「そう寂しそうな声を出すなよ」
A「常務はお身体大丈夫ですか？緊急の仕事って太田商事なんですか？」
シム常務「お前は心配しなくていい。俺を信じて待ってろ。必ず戻る、いいな？」
A「はい、あっ、あのっ」
シム常務「何だ？」
常務の部屋で待っててもいいですか、と言ってしまいそうになった。
ぐっとこらえて
A「待ってます」
電話は切れた。
待つしかない。
それから三日後、いつものように常務のスケジュールを確認すると、
真っ白だった。
白紙だった・・・
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アイラ(プロフ) - お疲れ様でした。久しぶりなので 最初から読み返します！楽しみ＼(^o^)／ (2019年9月19日 1時) (
レス) id: 91caf3041c (このIDを非表示/違反報告)
マミン(プロフ) - またシム家の仲間たちの続編見たいなーって何年たっても思います^_^ (2018年11月27日 22時) (レス) id: 0cd15f1a61 (このIDを非表示/違反報告)
jumpana(プロフ) - えー！ ちゃみゆうさんだったのですか！（今頃 (^◇^;) ）本当に嬉しい驚きです。最近、ずっとそばに…を読み返していたところだったので、本当にびっくり。私の癒しです。今回も、本当に最高でした。 (2018年10月1日 23時) (レス) id: e8772f8a7c (このIDを非表示/違反報告)
makimaki(プロフ) - ゆうさん» またまた読み返して来ちゃいました(^^♪常務チャンミン最高だったぁ(((^-^)))再度！ありがとうございましたぁ(^O^) (2018年9月23日 23時) (レス) id: 15860040e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - makimakiさん» 楽しんでくれましたか。良かった！ありがとうございました！ (2018年9月23日 16時) (レス) id: 9fc478c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年1月9日 23時
