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光「うぁ〜もう限界、食えね〜」
慧「んー、ちょっと酔った…」
買い出した材料たちを見て、足りないかな?と思ったけど、たこ焼きってちょっとで意外とお腹いっぱいになるもんだ。
光「つーかお前ら全然食べてないじゃん!米食い過ぎなんだよ」
慧「ふは、確かに」
A「ごめーんー」
それでも、買ってきた食材たちはだいたい空っぽになって、2人はお酒もいい感じに回ってきたみたい。
光「はー!ちょっと休憩!」
そう言って、光がごろんと床に仰向けになった。そのままうん、と背伸び。
お茶でも取ってこようかな、と立ち上がる。
慧は、ベッドに寝転んで、スマホをいじり始めた。
なんとなくまったりとした時間…
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光「んー、ん?あれ、」
光が寝転がったまま伸びをした指先が、
ベッドの下に落ちていた何かを捉えた。
特に気にもとめず、冷蔵庫を開ける。
あったあった、お茶…
だけど、のんびりした時間は、
次の光の一言であっけなく崩れ去った。
.
光「あ!ねぇこれ!これいのちゃんの彼女?」
慧「うわ!どこにあったんだよ返せ、」
光「ひゅー!やっぱそうじゃん!」
冷蔵庫を開けっ放しにしたまま固まる。
光、今なんて…?
部屋の方を見ると、光の手元には1枚の写真があった。
光「これって高校ん時?制服着てる〜」
慧「あー、…そうだね」
光「地元にいるんでしょ?遠恋かぁ。けっこう長いんだっけ?」
慧「高2ん時からだから…3年目、かな。もーいーでしょ終わり」
光「やっだよーん!Aパス!」
A「わ、」
笑いながら手渡された写真。
手にした途端、後ろから追いかけてきた慧にすぐ奪われてしまったけど。
.
慧「ったくもー…ちゃんと片付けたと思ったのになぁ」
光「っつーかめっちゃ美人だね」
慧「そかぁ?」
.
しっかりと見てしまった。
制服姿の慧の隣にくっついて笑う、綺麗な女の子。
瞬間、確かに聴こえた。
心の奥、密かに大切にしていた彼への淡い気持ちが、
パリンと割れて、粉々になってしまった音。
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時