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#90 ページ44

水に絵の具を垂らした時みたいに、心にぶわ、と広がっていく、

慧といた日々に感じていた、彼への甘くて苦しい想い。




この半年間、

忘れたことなんて1日もなかった…






慧「Aに会いたかった…ずっと、」





瞬間、込み上げてきたものが耐えきれずぽろりと頰を滑った。




そんな風に思ってくれてたの…?




慧「毎日Aのこと考えてた、今何してるかな、元気かな、笑ってるかな、って」


A「うん…私も、…」


慧「…ふは、ほんとに?」






小さく肩を揺らした彼を、思わずぎゅ、と抱き締め返す。



そんな風に思ってくれてたことは嬉しいけど…でもだめじゃない。
慧は、大切な人がいるじゃない。






慧「聞きたいことが、あって」





す、と体を離した彼は、私の肩に手を置いて、それから背中をほんの少し丸めてこちらを覗き込んだ。




A「何…?」




近い距離でぶつかる視線

慧が一瞬だけ俯いてそれを逸らして、
でも、意を決したように、こちらに向き直った。






慧「…Aは好きなのは、誰?」







A「…え…、」







ばくばくと暴れ出した心臓はもう止められない。

慧、どうしてそんなこと、急に…?





言い淀んでいたら、さらにずい、と顔が近付いてきた。





慧「光?」


A「へっ…?それは違うよ…光のことは好きだけど、そ、そういう好きじゃないよ…」


慧「じゃぁ、他に誰かいるってこと?」


A「そ、れは…」





詰め寄られてしまって分が悪い。
たらりと背中の辺りに冷や汗が流れたような感じがした。





A「け、慧こそ、」


慧「ん?」


A「慧こそいるじゃん、大切な人が…」


慧「うん、いる」







迷いなくそう言われて、ツキン、と胸が痛んだ。






A「…ほら。もうこの話やめよう?」






堪らず彼から離れ、背を向けた時、






慧「いる。ここに。」






彼にすぐ、捕まえられた右手。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 八乙女光   
作品ジャンル:恋愛
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時

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