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#62 ページ15

あぁ、やっぱりキャンバスが大きいと、時間配分が難しい。


即興の演奏に対して即興で描いていく。
わかってるつもりだったけど、深く考えてる時間なんてない。


思った以上に直感的な作業。
迷わずに進んでいけるように集中しなくちゃと、筆を握り直したその時、






.





「へぇ…面白いね」



ふと背後からそんな声がした。

振り向くとそこには、あちこちに絵の具がついたエプロンをした、浅黒い肌の男の人が立っていた。





A「あ…大野先生、」


「君、1年生?」


A「あ…ハイ。先生の授業も取ってます…」


「げ、そうだっけ、ごめんごめん」


A「いえ…私影薄いんで…、」


「いやいや、ほんとごめん、俺人の顔覚えるの苦手なのよ」




苦笑いしながらゆっくりこちらに歩いてきた先生は、私のキャンバスの前で足を止めた。





「いーね。衝動的っていうか、ルール無視っていうか」


A「は、すいません…セオリー無視していろいろ、やっちゃってます…」




タジタジしていると、急に大野先生はあははと笑い出した。




「ルール守って書いた優等生の絵なんて誰が見ても面白くねぇよ。俺はこういうの好きだけどね」


A「…!ありがとうございます…!」




少し開け放たれた窓から、相変わらず慧の楽しげなピアノが聴こえてくる。


ちらりとそちらに目を向けた先生は、あ!と声を出した。





「もしかして君たち?平成祭でライブペインティングやるのって。ピアノ科のやつと一緒にさ」


A「あ、そうです!やります、」


「本番見に行くわ。頑張ってね」




先生はふにゃ、と笑って去って行く。




A「頑張ります…!」






振り返らずひらひらと手を振って応えた先生。





急にぴん、と背筋が伸びる思いがする。






.





平成祭、絶対に成功させよう。






きっとこの経験は、これからの私たちの糧になるはずだから。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 八乙女光   
作品ジャンル:恋愛
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時

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