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慧「あれぇ、A、」

A「はい?」



かちゃかちゃとお皿を洗い始めていた彼は、のんびりしたトーンのままキッチンから私を呼んだ。
手持ち無沙汰でなんとなく眺めていた雑誌から、視線を上げる。



慧「コレ白もあったの?ピンクじゃないっけ?」



泡のついた綺麗な指が差す先を見る。
そこにあったのは、私がいつも使っている、有名な猫のキャラクターのマグカップで。




A「あぁ、それピンクの方割っちゃって。新しいの買いに行ったんだけど、もうピンクは生産してな、」




と、そこまで言って、背筋がぴきーんと凍ったように動かなくなった。




慧「ふは、まだ好きなんだね、この猫」


A「ちょっと待って…」





ぎょっとして思わず雑誌を落とした。
彼は相変わらず鼻歌交じりで、お皿を洗い続けている。





A「なんで知ってるの…」


慧「んー?なんか言った?」


A「なんで!知ってるの!そのカップのこと!」


慧「声でっけぇ」






彼は私の様子に怯むことなく、けたけたと笑いながらお皿を洗い続ける。









慧「だって知ってるもん俺。Aのことならなんでも」





は…!





A「何それ…!」







さらりと放たれた一言に、再びピキンと背筋が凍った。









分かった!この人ストーカーだ!

だって冷静に考えたらやっぱり、いろいろおかしいもん!




顔がちょっとかっこいいからって、うっかりしてた…






どうしよう!やばい人家の中に入れちゃった…!







一瞬にして、思考回路がぐるぐる回る。



彼に気付かれないようにじりじりと部屋の隅まで下がり、ベランダに続く戸に手を掛けた。





ここ2階だし。最悪骨折くらいで済むだろうし。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時

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