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慧「は!?ちょっと!何してんの!」



こっそりベランダに出て、柵に片脚を引っ掛けたところで、背後から彼の裏返った声。



A「逃げます!私まだ死にたくない!襲われるのも嫌!」


慧「はぁ!?誰に!」




慌てた彼が、手の端っこにまだちょっと泡をつけたまんま、ベランダに駆け寄る。





A「きゃぁ!来ないでストーカー!」

慧「いって!ちょっと、待って、違う!」




柵に跨ったまま、手足をぶんぶん振り回して抵抗していた瞬間、グラリとバランスを崩した。





A「うわ、」


慧「ちょ、ばか…!」




こういう時、物事がスローに見えたりするって言うけど、本当だった。



外側に傾いていく体。


一瞬、夜空が見えて。


あぁ、月が丸い。なんて、どうでもいい感想が脳裏に過ぎった、その時。







ぐい、と強い力で、私の体はベランダに引き戻されて、





慧「うぇ、」





気が付いたら、彼の体に守られるようにベランダに倒れていた。


いつの間にかくっついていた彼の薄い胸元から、慌てて体を起こす。





慧「A、…大丈夫?」


A「わぁ…!ごめんなさい…!」






目に飛び込んできた光景に慌てる。
彼の、腕まくりをしたシャツから覗く白い腕、肘の辺りから、
真っ赤な血が、白い肌と対比するようにじわりと滲んでいた。






慧「へーぇ、」





ひどく擦り剥けて、痛いに決まってるのに、


彼はなぜか関心したようにそう言って、肘の辺りをじーっと見つめた。







いやそれ、リアクションがおかしくないですか。






なんて、一瞬ぽかんとしてその光景を眺めていたら、ポタリと赤い一雫がベランダに落ちた。







A「早く…手当てしないと…!」









慌てて彼の手を引いて、部屋に戻った。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時

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