第2話 ページ26
市バスもよく考えられているものだ。しっかり金閣と銀閣を結ぶ路線がある。バス一本で銀閣近くまで行けた。徒歩の末、到着。ここでももれなくお札がもらえる。金閣のよりもひとまわりサイズは小さいがご利益はありそうだ。金銀並べて飾ろう。もちろんここでも講釈は忘れない。足利義政の話からみっちりしてしまった。ここ銀閣は東山文化の代表格だ。東求堂の書院造は一見の価値あり、である。違い棚など教科書に出てくるレベルの重要な造りがたくさんある。こちらの銀閣は金閣と違いべつに銀箔で覆われているわけではない。ただ、足利義政が義満に対抗してこの名前をつけたのは事実らしい。個人的には銀閣のほうが好きなのだが、彼女は金閣派らしい。水に映った姿が金閣のほうが好きだそうだ。犬派猫派で人の性格がなんとなくつかめるが如く金閣派銀閣派でも性格がわかるかもしれない。ただ、どういう診断をすればいいのかはさっぱりわからないが。銀閣のある慈照寺は白砂の庭園、まあ枯山水でも有名だ。京都で枯山水といえば龍安寺、という人がほとんどだろう。ただ僕は慈照寺のほうを推す。その話を彼女にすると正直君と見れたらなんでもいい、と照れながら返された。ベタだけど男子の半分は確実にイチコロされるワード。それは卑怯だわ…。とツッコむ。ちえっ、引っかからなかったか、と若干そっぽを向く彼女。一体引っかかったらどうだったんだろう、と聞くと有頂天になったところでいろいろ奢ってもらうつもりだったのに、と言われた。なんか可愛いから許す。てか何が欲しいのだろうか。直接聞きたいのを我慢する。サプライズで渡せれば1番いいのだが…。探りを入れてみるも手ごたえなし。そのまま写真も撮れずに寺を出て、東大路通を下っていく。残すところ飛雲閣のみとなったが、時間があるので寄り道していこう。若干めんどくさいが二条城にリベンジしてみるか。
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作者名：チャルさん x他3人 | 作成日時：2020年3月30日 23時
