第4話 ページ23
京都駅。デザインは好きだ。そんなことを言うためにわざわざ来たわけではない。彼女からラーメンを食べたいというリクエストがあり、せっかくだからということで伊勢丹の10階、ラーメン小路に行くことにしたのだ。全国の主たるラーメン屋が所狭しと並んでいる。北は北海道、バターラーメンから南は福岡、博多ラーメンまで。個性豊かな有名どころぞろいである。今日は初めてなので、ここ京都のご当地ラーメン、ますたにでいただくことにする。どこも並んでいるが、ますたにが1番並びの列が長い。彼女も僕も並ぶことは別に苦でないということで、最後尾にまわる。今日は歩き疲れて足が棒だ。彼女はまったく疲れたとかないらしい。スタミナがありすぎる。すごいな。そんなことを話している間に順番が来て、カウンター席に案内される。店内は思っていたより狭い。圧迫感がある。店の外は博多ラーメンの匂いが強すぎてわからなかったが、醤油とんこつ系と思われるスープの芳醇な香りが漂っている。2人ともオーソドックスに中華そばを注文する。まず見た目が良い。いかにもラーメン、という感じがする。スープを一口すする。あ、これ美味いやつや。一口でわかる。と呟くと隣で宮○大輔か、とツッコんでくれた。2人で顔を見合わせ、ふふっと笑う。デートにラーメンはしんどいという記事をインターネットで見たことがあるが、別に彼女の場合はそんなことはないらしい。人によるわけか。ふうん。ラーメンを食べ終わり、店を出る。まだラーメン屋の前には列ができている。ここで僕は彼女の手を引き伊勢丹の10階を歩く。京都に来たら毎回行く場所があるのだ。それが同じ階にある京都駅空中回廊だ。毎回イルミネーションとかその他もろもろが変わっている。何回見ても飽きない穴場の絶景スポットで、ぜひ彼女と一緒に見たいと思ったのだ。前京都行ったときは行けなかったしね。
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作者名：チャルさん x他3人 | 作成日時：2020年3月30日 23時
