京都編 第1話 ページ3
「京都にいきたい」と珍しく彼女の方から連絡が来た。どうしたんだろうと思い返信すると、どうしても狐のお面せんべいが食べたい、と返ってきた。かわいすぎでしょそれ。調べてみるとそれは伏見稲荷にあるらしい。せっかく2人で京都に行くならいろいろ見たいから、てんこ盛りのデートプラン組んでおこう。もちろんフォトスポットは多めで。今回こそツーショットを撮りたい。
天気は曇り。散策にはちょうど良い気候だ。歩きやすい靴を履いてくるように頼んでおいたにもかかわらず、彼女はインナーヒールの靴を履いてやってきた。背が低いのを気にしているらしい。そういうとこも好きだな、と思いつつ京都へ向かう。
京都観光にはバスが便利である。ということで僕らもフリーチケットを買い、バスに乗り込む。最初の目的地は清水寺である。彼女は京都に行ったことがほとんどないそうなので、王道コースでいいか、と有名どころをチョイスした結果である。「景色綺麗だね‼」とはしゃぐ彼女が眩しい。舞台の中でおみくじを引いたが彼女は大吉。吉以下はあまり引かないそうだ。運が強い。おみくじの話だけでめちゃくちゃ盛り上がってしまった。僕の歴史トークも退屈せずに笑顔で聞いてくれる。こんな彼女なかなかいないよな、好きになってよかった…。とつくづく思う。坂上田村麻呂の碑文で写真撮ろう、とストレートに持ちかけてみたが予想通りNG。今日もツーショットは難しそうかなぁ…。と悩む。それが顔に出ていたようで、大丈夫?と顔を覗きこまれる。なんでもない、と返事をしてこの辺りで有名なスイーツ屋に連れて行く。ここのいちごフレーバーが美味しいのだが、彼女はその味が嫌いなようで、その店は諦めることにした。好き嫌いは事前に確認しておくべきだったと後悔する。気をとりなおして次行きますか、次。次で写真を撮ればいい。
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作者名:チャルさん x他3人 | 作成日時:2020年3月30日 23時