第3話 ページ15
さすが長浜、北の方というだけあって若干肌寒い気もする。まあ気のせいか。さっそく駅近の観光スポットから巡っていくことにする。まずは鉄道スクエア。デートでそんなところに行って何が楽しいのか、と思う方も多いだろう。電車が展示されているだけなのに、と。結局のところ僕らはどこかに行ければいいのである。2人ともなんでも興味を持つタイプではあるし、話のネタには困らないから鉄道スクエアでも何でもいいのである。結局蒸気機関車の車内に結構長い時間滞在した。このままでは予定していた場所全ては回りきれないかもしれない。先を急ぐ。
長浜では定番の観光スポット、黒壁スクエア。今回はここが1番のメインである。精巧なガラス細工がそこここに溢れかえる商店街風のエリアだ。写真は撮れずともガラスの小さい置物を１つくらいお揃いでもっておきたいな、と彼女に提案する。なんと快諾。さっそく商品を選びにいく。2人が同時に あ、これいい！と言って顔を見合わせた。僕らが指を指していたのは小さいフクロウのガラス細工。サイズ感といいフォルムといい、可愛いのフルコースみたいなフクロウである。他の店を見回る前に二羽のフクロウを買って、上機嫌で散策を続ける。次に入ったのがオルゴール館。ここではオルゴールの作成体験や、高級オルゴールの展示などを行なっている。店のドアを開けるとそこらじゅうに陳列されているオルゴールが演奏を始めていた。こう大量に鳴らされるといくらここの音色が綺麗だとはいえ頭痛くなるレベルである。そのとき、突然ひときわ大きく、美しい音色でパッハルベルのカノンが流れてきた。驚いてそちらを見ると、彼女がニコニコしながらこちらを見ている。カノンをかけたのは彼女だったのだ。高級オルゴールの視聴をさせてもらっているらしい。値段は…。いちじゅうひゃく…300万!?高すぎる。そんなオルゴールを簡単に鳴らしていいものなのだろうか。と考えていると彼女が「ほら、ここ見て」という。なんとそのオルゴールの横に100円の投入口がある。なるほど、100円で一曲かかるのか。まあそれだけの値打ちはあるだろう。結局僕らはオルゴールで遊ぶだけ遊んで店を出た。
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作者名：チャルさん x他3人 | 作成日時：2020年3月30日 23時
