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〜薬研side〜
カランと乾いた音を立てて本体が手から滑り落ちる
情けない
こんなんじゃ大将に会わせる顔もねえ
今剣「っ、なぜたちのあなたがやせんでたたかえるんですか！？」
前田「今剣、落ち着いてくださいっ」
今剣「前田たちはだまっててください！なっとくできません……っ！なんで……どうしてぼくたちより…………っ！！」
最早誰の言葉も耳に入っていないだろう今剣は感情のままに怒鳴り散らす
その目には涙が溜まっていた
悔しいのはきっと俺だけじゃないんだな
A「………貴様らと一緒にするな」
五虎退「くじょ、さま……？」
先ほど戦場に来てすぐの時とは違う、緊張感のある五虎退の声色を聞き、ゆっくりと九条に目を向ける
彼は怒るでもなく蔑むでもなく、感情の読めない瞳で静かに俺たちを見ていた
A「貴様らとは『夜』に懸けてきたものが違う。同じ土台に立たせるな」
平野「……それはどういうことでしょうか？」
平野の問いに一瞬目を細めた彼はゆっくりと月を見上げるように天を仰ぐ
A「………例えば。一人で海外に渡るとして、英語をある程度話せる者と全く話せない者、どちらがより英語に精通できるとおもう？」
平野「ある程度話せる者ではないでしょうか？」
A「不正解だ。話せる者は自分の持つ知識で過ごすことができる。新しい知識を無理に取り入れる必要性は小さい。だが話せない者はそうはいかない。なにも知らない故に何もできない。だから学ぶ。そうしないとそこで生きていけないからだ」
……彼の言っていることは理解できた
だがそれがなんだというんだ？？
今なんの関係がある？？
全く意図を理解できていない俺たちを察し、彼は一度小さく溜め息を吐き口を開いた
A「それと同じなんだ。背後を取られれば即ち敗北を、醜態を晒せば即ち絶望を、遅れをとれば即ち死を意味する。夜もなにもない。気を抜くことは許されない。生きていくために必要な力だった。……だから」
そこで一瞬言葉を区切った彼は俺たちに目を向ける
先ほどとは違い怒りのこもった眼差しを
A「元より夜戦を得意とする貴様らと夜戦に強くならざるを得なかった俺とでは懸ける思いもリスクも違う。もう一度言おう。…………一緒に、するな」
もう誰も九条に言い返す言葉を持つ者は居ない
形容しがたい苦しみが胸を埋め尽くす
だから俺は
A「薬研、立てっ！」
彼の叫びさえ耳に入らなかった
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月26日 19時) (
レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公！新しくて大好きです！続きとても楽しみに待っております！ (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです！作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2018年5月13日 18時
