. ページ13
.
ジョングクくんは立ち上がり、そして私の手を両手で包み込む。
「初めて列車で出会ったあの日から、……あの時からあなたのことが好きです。
今もずっと、隣にいてほしいのはAさんだけです。俺と、
俺と付き合ってもらえませんか」
その言葉に、お腹の底からぐううっと幸せな気持ちが込み上げてくる。
どきどきと心臓が早まるのと同じように、恥ずかしいのに嬉しくて口元がゆるゆると緩んできてしまう。
そんな姿を見られたくなくて唇を噛んで誤魔化した。
……つもり。
「返事を、聞かせてもらえませんか……？」
こんなこと、初めてだからどきどきして心臓がおかしくなりそう。
……だけど、嬉しいってことはそういうことなんだよね。
前に帰省した時にジウ姉さんから言われた言葉を思い出す。
“ 今にその気持ちが何なのか、分かるからね ”
姉さん、私今ようやく分かったよ。
『……私もジョングクくんが好き、
……だけど今まで誰とも付き合ったことがなくって……、分からないことだらけだと思うんだけど…… こんな私で良ければ……、』
「やったーーー！！！！」
『わあっ！！』
突然、ジョングクくんに抱き上げられて、抱きしめられたままクルクルと回される。
その声に「Aヤ！！！」と兄さんが出てきた。
「ホソク兄さん！いい所出ていっちゃダメだよ！」
「そうだよ！もう少し待ってないと！」
『待って。……聞いてたの？』
「「……」」
『……』
「ジョングガ！Aに変なことしたんじゃないの！？」
「し、してません！！」
ジョングクくんが私をそっと下ろす。
「……ジョングガ、何か俺に言うことがあるんじゃない？」
兄さんの目が鋭くジョングクくんに向く。
繋いだままの手がきゅうっと強く握られた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：哺乳瓶
| 作成日時：2023年4月25日 17時
