9と3/4番線で君を待つ【bts】 (ページ10)

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そっと伺うように見つめるジョングクくんのうさぎみたいなうるっとした瞳に、ときめいた。心臓に矢が刺さる感覚って、きっとこんな感じだ。

な、なんて可愛いの…！？母性本能がくすぐられるってこういうことなんだ！

『そんなことないよ！いつでも話し掛けて！』

そう私が言うとジョングクくんはぱあっと光が差すみたいにとびっきりの嬉しそうな笑顔になった。

「はい！ありがとうございます！じゃあまた！見掛けたら声掛けますね！」
『うん！じゃあ、またね』

私とは反対方向に、来た道を戻っていくジョングクくんの背中はぴょこぴょこと嬉しそうに弾んでいて。

今私に話し掛けてくれたのだって、こっち方面に用もないのに来てくれたんだ。
私と話すためだけに。

女の子が苦手って言ってたけど、勇気を出して来てくれたんだな…

なんだか健気で可愛くて、私は歌い出したくなるくらい晴れやかな気持ちで寮に戻った。

寮の談話室ですれ違ったナムジュン先輩に「気持ち悪いくらい機嫌が良いな」と言われたけど、今は気にせず『そうですよ』なんて、スルー出来たもんね！

カレンダーを見れば、もうすぐハロウィンがやってくる時期だった。今年はどんな食べ物が出るんだろう。

この時はまだ余裕があった私は、少し先のことを考えて胸を踊らせていた。

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