9と3/4番線で君を待つ【bts】 (ページ38)

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「何の話してたの？」
「今度の休み一緒に遊ぼうって誘われた」
「お、いつ？」
「いや、断ったよ」
「可愛い子じゃん。僕だったら好きじゃなくても1回くらいデートしてみるけどね」
「そんなのだめだよ。あの子に失礼だ」
「向こうはそれでも嬉しいと思うけど」
「俺が嫌なんだよ」

テヒョンイは幼馴染の贔屓目無しに端正な顔をしている。

入学して3日で年上の女の先輩に告白されていたくらいだ。

なのに未だに頑なに誰とも付き合おうとしない。

何で？って聞いても返ってくるのはいつも同じ答えだ。

いや、違うな。

前に1度だけ、違う答えが返ってきたことがあった。

“ ジミニは誰かを好きになったことある？俺はあるよ。

すっごく幸せな気持ちなんだ。

あの気持ちになる人じゃないと、俺は付き合わないよ ”

そう言った時のテヒョンイの顔はとても優しくて、僕が恥ずかしくなるくらい慈愛に満ちた目をしていたのを覚えている。

恋とかは分からないけれど僕だって知ってることもある。

テヒョンイの初恋の相手はAだ。

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